微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2014-01-01から1年間の記事一覧

今年達成できたこと

今年、論語・大学・中庸の音読が 100回に到達した。 覚えるほど読み込んだ。 だが、読めば読むほど、 知れば知るほど、 孔子先生の教えが 深くて高くて遠くて広くて… なんとなく次の章句にある 顔淵の気持ちがわかるような気がする。 顔淵、喟然として歎…

徳川家康と論語

再来年(2016年)は 徳川家康が没して400年。 徳川家康の遺訓 「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず」。 この遺訓は次の論語をもとにしていると言われる。 曽子曰わく、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て…

「先王の道」は仁の道(論語、学而第一⑫)

孔子先生が説いたのは仁。 それは孔子先生が 創作したものではなく、 堯・舜・文・武という 古代の聖王たちが実現したものだった。 (述べて作らず) 「先王」とは 堯・舜・文・武であり、 「先王の道」とは 仁の道ではないか?と思うのである。 有子曰わく…

教育勅語にある「国体」

教育勅語には 「国体の精華」という言葉がある。 天皇陛下を父とし、 皇后陛下を母とする一つの大きな家族。 これがきっと「国体」なのだと思う。 詩に云わく、楽只の君子は民の父母と。民の好む所之を好み、民の悪む所之を悪む。此を之れ民の父母と言う。(…

述べて作らず(論語、述而第七①)

「述べて作らず」 孔子先生は 「述べているだけで創作はしてない」と仰った。 子曰わく、述べて作らず、信じて古を好む。(後略)(述而第七・仮名論語80頁) 孔子先生が言われました。 「私は述べているだけで創作はしていない。古聖を信じて好んでいるに…

恥の文化を大切にしたいのだ

日本人が昔から有する 恥の文化を大切にしたいのだ。 子曰わく、之を道くに政を以てし、之を斉うるに刑を以てすれば、民免れて恥ずること無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥ずる有りて且つ格し。(為政第二・仮名論語11頁) 孔子…

執鞭の士(論語、述而第七⑦)

孔子が説いたのは仁(人の道)。 言うことを聞かないからといって 人を牛や馬と同じように叩くのは間違っている。 だから執鞭の士は賤しむべき役目なのだろう。 子曰わく、富にして求むべくんば、執鞭の士と雖も、吾亦之を為さん。如し求むべからずんば、吾…

大変だ大変だと、いやいや取り組むよりも

大変だ大変だと、 いやいや取り組むよりも 好きになれる要素を見つけて 楽しみながら取り組んだ方が 遥かに人生は充実する。 子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(雍也第六・仮名論語74頁) 孔子先生は言…

流れ星に願えれば叶う

流れ星が流れる ほんの一瞬に願うには 四六時中頭の中で熱心に 考えていることでなければ 到底無理なこと。 それだけ熱心に 考えているのであれば、 いつか道は開けるのではないだろうか? 子張、行われんことを問う。子曰わく、言忠信、行篤敬なれば、蛮貊…

政治家が生活を語る国の行く末

政治家が目先の生活を語る。 その結果として 国の借金は1000兆円も積み上がったのではないか? だが生活を語らなければ当選できない。 政治家に生活を語らせているのは 我々有権者なのかもしれない。 子曰わく、人にして遠き慮無ければ、必ず近き憂有り…

人と同じことをしてもしょうがない

自分にしかできないことを創造するべきだ。 人と同じことをしてもしょうがない。 子曰わく、之を如何、之を如何と曰わざる者は、吾之を如何ともする末きのみ。(衛霊公第十五・仮名論語234頁) 孔子先生が言われました。 「これはどうだろうか?、これは…

自由は自らに由ると書く

自由とは自らに由ると書く。 だが自らに由れるほど 自らに自信は無い。 子曰わく、述べて作らず、信じて古を好む。竊に我が老彭に比す。(述而第七・仮名論語80頁) 孔子先生が言われました。 「私は古聖の道を述べているだけで創作はしていない。古聖の道…

人を人として扱うなら

人を人として扱うなら 敬意をもって指導すべきだ。 人を追い込み、 人の心を傷つけるような やり方をする指導者は 指導者として無能であると 白状しているようなものだ。 子路、君子を問う。子曰わく、己を修めて以て敬す。曰(い)わく、斯くの如きのみか。…

三年父の道を改むる無くんば(論語、学而第一⑪)

もしも子どもが 私が天命と思って 追求していることを 受け継いでくれるのなら、 これほど嬉しい親孝行は無い。 この気持ちを反映できるのは 次の章句しかないだろう。 この章句が 学而第一に置かれたことに 感謝せねばならない。 子曰わく、父在せば、其の…

増殖する子どもなオトナ

ご飯を食べさせ 知識や技能を習得させれば 子どもは一応オトナになる。 だが知識や技能だけでは 心は子どものままだろう。 心が子どものままだから、 アニメ・ゲーム・ライトノベル・ アイドル・ゆるキャラなど 芸術性の低いものに オトナが夢中になるのでは…

仕事を有意義なものにできるか否かは

あらゆる仕事に意義がある。 仕事を 有意義なものにできるか否かは 天命を自覚できるか否かによるのではないか? 孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり…

夫子は温良恭倹譲(論語、学而第一⑩)

弟子から見た孔子先生のお人柄。 これも論語全体で何度も繰り返されるテーマ。 これを最もよく表しているのが 温良恭倹譲なのではないか? そう考えると やはりこの章句も学而第一に相応しい。 子禽、子貢に問うて曰わく、夫子の是の邦に至るや、必ず其の政…

終を慎み遠きを追えば(論語、学而第一⑨)

上の立場にある人(君子)は 率先して範を垂れる。 これも論語全体で 何度も繰り返されるテーマ。 上の立場にある人が 率先して孝を考え実践し、 祖先を大事にすれば、 下の立場の人々の心は 豊かになる、ということだろうと思う。 曽子曰わく、終を慎み遠き…

妹の結婚式で泣いたのではない

妹の結婚式があった。 妹は父との関係が良いとは言えない。 妹と父は結局、 ヴァージンロードを一緒に歩かなかった。 だが、披露宴の最後、 新婦の手紙には、 父の愛情を感じられるエピソードや 父への感謝の気持ちが綴られていた。 私と母、特に母が 父と妹…

大切なことは目に見えない

サン=テグジュペリの 「星の王子さま」の中で 王子は狐に次のように教わった。 「心で見なくちゃ、 物事はよく見えないってことさ。 大切なことは目に見えないんだよ」と。 子曰わく、人にして遠き慮無ければ、必ず近き憂有り。(衛霊公第十五・仮名論語2…

安楽死について考えてみた

天命を追い求める者は そう簡単に命を投げ出さない。 耐えがたい苦痛が来てからでも よかったんじゃないか? 子、匡に畏す。曰わく、文王既に没したれども、文茲に在らずや。天の将に斯の文を喪ぼさんとするや、後死の者、斯の文に与るを得ざるなり。天の未…

ウチの子とか私の子とか所有格を使うが…

他に適当な言い方が無いので ウチの子とか私の子とか所有格を使う。 だが、 子どもは私とは別の人間。 一人の人間として しっかり尊敬したいのである。 子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁) 孔子先…

千乗の国を道くに(論語、学而第一⑤)

人間生きている以上、 何らかの形で必ずいつかは 上の立場に立つ。 したがって、 「千乗の国」に限定せず、 広く一般に 上の立場に立った場合の 心構えを説いた章句だと解したい。 そうしてみるとやはり、 学而第一篇に相応しい章句だと思える。 子曰わく、…

風に乗って飛べるのは

風が吹くかどうかは 天が決めること。 だが、ひとたび風が吹けば、 風はみんなに平等に吹く。 風に乗って飛べるのは、 飛ぶための最善の準備をしていた者だけだ。 色みて斯に挙り、翔りて而して後に集まる。曰わく、山梁の雌雉、時なるかな、時なるかな。子…

小さな過ちを追求するのが政治だろうか?

政治家が 小さな過ちを追求することに 明け暮れる。 どこまでを 小さな過ちというかは別として、 小さな過ちは許すという視点は 政治家に必要なことだと思う。 余りに小さな過ちに 拘る政治家の方が 信用できない。 仲弓、季氏の宰と為りて政を問う。子曰わ…

過てば則ち改むるに(論語、学而第一⑧)

人間であれば 誰だって間違いはある。 大事なのはすぐに改める ということなのだろう。 子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし己に如かざる者を友とする無かれ。過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。(学而第一・仮名…

飽きないようにするために

どんなに知っていても どんなに好きでも ただ漫然と繰り返すだけでは 飽きる。 楽しくなくなる。 飽きないようにするために 小さな変化や発見でも 感謝・感動できるよう 心をいつも新鮮に保つ。 さらには飽きないための 創意工夫を重ねる。 心をいつも新鮮に…

何をしたいか?ではなく、何をすべきか?だろう

自分は何をしたいのか? これでは自分本位のような気がする。 自分は何をしたいか?ではなく、 自分は何をすべきか?の方が 善いように思う。 子貢曰わく、如し博く民に施して、能く衆を済う有らば如何。仁と言うべきか。子曰わく、何ぞ仁を事とせん。必ずや…

三省は恕のために(論語、学而第一④)

反省だけなら猿でもできるという。 反省だけなら 人の道(仁)ではない。 人間は反省するだけでなく 省かねばならない。 善くないことを 省かねばらなない。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11696382.html 何度も何度も自分を省みて 善くないことを省い…

飽きるとは心が枯れる(穢れ)

飽きるとは 心が枯れること。 心が枯れることを 神道では穢れ(けがれ)というらしい。 心が枯れないようにするために いつも心を瑞々しく新鮮に保ちたい。 子張、政を問う。子曰わく、之に居りて倦むこと無く、之を行うに忠を以てす。(顔淵第十二・仮名論…