微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

微の顕なるを知らば

宿命を好きになり、楽しむ

宿命は変えられない。 変えられないのであれば、 宿命を嘆くよりも、 宿命を好きになり、 楽しんだ方が良いに決まっている。 子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(雍也第六・仮名論語74頁) 孔子先生は言…

一人ひとりの個性を認め

一人ひとりの個性を認め、 良いところは伸ばし、 悪いところは抑える。 子曰わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。(顔淵第十二・仮名論語172頁) 孔子先生が言われました。 「君子は、人の美点(長所)を成就させ、人の悪い所(短…

孝には親が子を抱く意味もある

孝という漢字は、 子が老(親)を背負うだけでなく、 老(親)が子を抱くことも示している。 江戸後期から明治初期の我が国は、 欧米人から「子供の楽園」と評されていた(「逝きし世の面影」より)。 もっと子供を大事にする社会に戻って良いのだと思う。 …

心で見なくちゃ

サン=テグジュペリの 「星の王子さま」の中で 王子は狐に次のように教わった。 「心で見なくちゃ、 物事はよく見えないってことさ。 大切なことは目に見えないんだよ」と。 大学にも 心を正しくすることが物事を本質から判断すること(知)に繋がると説かれ…

一所懸命に行えば天命が分かる

力(つと)め行うは仁に近い、とある。 子曰わく、学を好むは知に近く、力め行うは仁に近く、恥を知るは勇に近し。(中庸第二十章・仮名中庸40頁) 孔子先生は言われました。 「学ぶことを好むのは知に近く、努力して行うことは仁に近く、恥を知ることは勇…

なぜ言葉を学ぶか?

言葉を学ぶのは 相手のことをもっと理解するため、 すなわち仁のためなのである。 孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり。(堯曰第二十・仮名論語313…

できるかできないかは生涯かけてみないと分からない

できるかできないかは生涯かけてみないと分からない。 冉求曰わく、子の道を説ばざるに非ず、力足らざればなり。子曰わく、力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画れり。(雍也第六・仮名論語71頁) 冉求(冉有)が言いました。 「先生の教えが…

他人の評価は気にしない

他人の評価は気にしない。 子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁) 孔子先生は言われました。 「人に認められないことを心配するのではない。自分が人を認めていないのではないか?と心配するのだ」 …

少しだけ頑張る

毎日、少しだけ頑張る。 日々進化するために。 湯の盤の銘に曰わく、苟に日に新た日日に新たに、又日に新たならんと。(大学・仮名大学6頁) 殷王朝の初代・湯王が使っていた洗面器には、「本当に毎日、心を新鮮に保って、日々新(進)化することを心がける…

愛の反対は憎しみでなく

愛の反対は憎しみでなく無関心(マザー・テレサの言葉)。 人への無関心すなわち 相手を知らないということは 仁愛に悖る憂うべきことなのである。 子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁) 孔子先生は…

正しさは人に求めない

君子は自分を正しくするだけで、その正しさを人に求めない。 上位に在りて下を陵がず、下位に在りて上を援かず、己を正しくして人に求めざれば則ち怨み無し。上天を怨みず、下人を尤めず。故に易きに居りて以て命を俟ち、小人は険を行いて以て幸を徼む。(中…

言葉には言霊がある

言葉には言霊がある。 善いことを言えば善いことを招き、 悪いことを言えば悪いことが招く。 故に君子は言葉を選ぶのである。 是の故に言悖りて出ずる者は、亦悖りて入る。貨悖りて入る者は、亦悖りて出ず。(大学・仮名大学28頁) この故に、道理に背いた…

命には宿命、運命、天命(使命)がある

命には宿命、運命、天命(使命)がある。 宿命は変えられないが、運命は変えられる。 与えられた宿命のもと、最善を尽くす。 最善を尽くしていれば、必ず天命(使命)が見つかる。 天命(使命)が見つかれば、運命は必ず好転する。 孔子曰わく、命を知らざれ…

知者は愚痴を言わない

痴は知が病むと書く。 愚痴を言うということは、 知が病んでいるということ。 心に仁をおく知者は、 愚痴など言わないのである。 子曰わく、仁に里るを美と為す。択びて仁に処らずんば、焉んぞ知なるを得ん。(里仁第四・仮名論語37頁) 孔子先生が言われ…

働いて稼いだお金では遊ばない

働いて稼いだお金では極力遊ばない。 働いて稼いだお金で資産を買う。 資産が生んだお金で初めて遊ぶ。 仁者は財を以て身を発(おこ)し、不仁者は身を以て財を発す。(大学・仮名大学34頁) 仁者は財産によってその身を興す。不仁者はその身を犠牲にして…

禁欲でなく寡欲

禁欲でなく寡欲である。 つまらん欲求は最小限に留めたい。 子曰わく、吾未だ剛なる者を見ず。或ひと対えて曰わく、申棖と。子曰わく、棖や慾あり。焉んぞ剛なるを得ん。(公冶長第五・仮名論語54頁) 孔子先生が言われました。 「私はまだ、剛(芯の強い…

生きてる意味は必ずある

生きてる意味は必ずある。 季路、鬼神に事えんことを問う。子曰わく、未だ人に事うること能わず、焉んぞ能く鬼に事えん。曰わく、敢て死を問う。曰わく、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。(先進第十一・仮名論語146頁) 季路(子路)が孔子先生に尋ね…

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

南米ウルグアイの大統領を務めた ホセ・ムヒカ氏の演説をもとにした 絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)が売れている。 スピーチは2012年、 ブラジルで開かれた環境の国際会議でのもの。 各国首脳が温暖化ガス削減や 開発政策を論じる…

悪口は言わない

悪口はそれ自体が不善。 悪口は言わないようにしたい。 子曰わく、由の瑟、奚為れぞ丘の門に於いてせん。門人、子路を敬せず。子曰わく、由や堂に升れり。未だ室に入らざるなり。(先進第十一・仮名論語148頁) 孔子先生が言われました。 「由(子路)の…

勉強しても勉強してもすぐに忘れる

勉強しても勉強しても すぐに忘れる。 それでも謙虚に 何度も何度も繰り返す。 子曰わく、学は及ばざるが如くするも、猶之を失わんことを恐る。(泰伯第八・仮名論語106頁) 孔子先生が言われました。 「まだまだ及ばないような気持ちで学んでいる。それ…

天命(使命)を知るには

天命を知るには結局、 一つ一つ善を積んでゆく、 ということだろう。 康誥に曰わく、惟れ命常に干(おい)てせずと。善なれば則ち之を得、不善なれば則ち之を失うを道う。(大学・仮名大学29頁) 康誥(書経の一篇)には、「天命はいつでも失われる」とあ…

涅槃寂静と中庸

涅槃寂静はお釈迦様の教え。 煩悩を滅却した世界は 心静かな安らぎの境地という意味らしい。 孔子先生が到達した中庸も 同じような境地と思われる。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして…

人の悪口は言わない

人の悪口は言わない。 人の善い所を言うことを楽しみたい。 孔子曰わく、益者三楽、損者三楽。礼楽を節せんことを楽しみ、人の善を道(い)うことを楽しみ、賢友多きを楽しむは、益なり。驕楽を楽しみ、佚遊を楽しみ、宴楽を楽しむは、損なり。(季氏第十六…

話すより聞くが尊い

自分のことを話すより、 他人の話しを聞くことの方が難しい。 40にもなって 自分のことしか話さないで 他人の話しを聞かない人は 小人ということではないだろうか? 子曰わく、後生畏る可し。焉んぞ来者の今に如かざるを知らんや。四十五十にして聞くこと…

心は広くおおらかでありたい

心は広くおおらかでありたい。 だが肝心なところでは絶対にぶれたくない。 仲弓、子桑伯子を問う。子曰わく、可なり、簡なり。仲弓曰わく、敬に居て簡を行い、以て其の民に臨まば、亦可ならずや。簡に居て簡を行うは、乃ち大簡なること無からんや。子曰わく…

自由とは自らに由る

自由とは自らに由ると書く。 だが自らに由れるほど自らに自信は無い。 だから私は孔子の道に由る。 子曰わく、誰か能く出ずるに戸に由らざらん。何ぞ斯の道に由ること莫きや。(雍也第六・仮名論語73頁) 孔子先生が言われました。 「家を出るのに戸口を通…

「美」「義」「善」には羊がいる

「美」は大きな羊と書く。 漢字が作られた大昔、 大きな羊は美しいものと考えられたからだろう。 「義」や「善」にも羊がある。 羊が美しいものである以上、 「義」は我を美しくするものとなり、 美しい言葉を選んで使うことは「善」ということになる。 子曰…

大変だ大変だと、いやいや取り組むよりも

大変だ大変だと、 いやいや取り組むよりも 好きになれる要素を見つけて 楽しみながら取り組んだ方が 遥かに人生は充実する。 子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(雍也第六・仮名論語74頁) 孔子先生は言…

流れ星に願えれば叶う

流れ星が流れる ほんの一瞬に願うには 四六時中頭の中で熱心に 考えていることでなければ 到底無理なこと。 それだけ熱心に 考えているのであれば、 いつか道は開けるのではないだろうか? 子張、行われんことを問う。子曰わく、言忠信、行篤敬なれば、蛮貊…

人を人として扱うなら

人を人として扱うなら 敬意をもって指導すべきだ。 人を追い込み、 人の心を傷つけるような やり方をする指導者は 指導者として無能であると 白状しているようなものだ。 子路、君子を問う。子曰わく、己を修めて以て敬す。曰(い)わく、斯くの如きのみか。…