微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

一所懸命に行えば天命が分かる

力(つと)め行うは仁に近い、とある。


子曰わく、学を好むは知に近く、力め行うは仁に近く、恥を知るは勇に近し。(中庸第二十章・仮名中庸40頁)
孔子先生は言われました。
「学ぶことを好むのは知に近く、努力して行うことは仁に近く、恥を知ることは勇に近い」


一所懸命に努力して行うことは、仁に近いということである。

仁とは人の道であり、
人の道は天命を追求することにある。

ご縁があって置かれた環境で、
10回、100回、1000回と
一所懸命に努力して行えば、
必ず自分の徳(天命)が明らかになるということを言っているのではないかと思うのである。


人一たびして之を能くすれば、己之を百たびし、人十たびして之を能くすれば、己之を千たびす。果して此の道を能くすれば、愚なりと雖も必ず明らかに、柔なりと雖も必ず強し。(中庸第二十章・仮名中庸50頁)
人が一回で良くできるとすれば、自分は百回やってみる。人が十回で良くできるとすれば、自分は千回やってみる。その結果道を修得できれば、愚かな者でも必ず聡明になり、柔弱な者でも必ず強い 。