微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

「諸を己に求む」の「諸」は何故「責」なのか

「内に自ら訟むる」(公冶長)から導ける。 公は、明け透けという意味がある。 たしかに松の葉は明け透けている。 訟は、明け透けにものを言う、つまり責めるという意味がある。

辞気を出だす

辞気を出だすは 臍下(せいか)の一点に気を集める、 と解釈しようと思う。

見尾勝馬「和歌論語」

見尾勝馬「和歌論語」は 昭和8年に出版された本。 古本屋で探すしかない。 論語約500章全てを和歌で表現している。 解説などは無い。 角川文庫「ポケット論語」には 原文、書き下しと共に 和歌論語も併記されている。 まずはポケット論語を探してみようと思…

二宮金次郎が歩きながら読んでいた本

二宮金次郎が歩きながら読んでいたのは大学。 大学は暗唱するもの。 前方不注意にはならない。 画面を凝視するながらスマホとは全く違う。 二宮金次郎像を廃止したり、 座って本を読む二宮金次郎に変更する必要は全く無い。

ご来訪御礼

ご来訪、有難うございます。 子曰わく、徳は孤ならず。必ず隣有り。(里仁第四・仮名論語46頁) 孔子先生が言われました。 「徳を行う者は決して孤独ではない。必ず仲間がいるのだよ」 ​リアルでは論語の話しなど、とてもできません。 そのため、こうして…

友とお互い高めあう

舗仁。 仁の磨き合いをするのが本当の友達である。 曽子曰わく、君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔く。(顔淵第十二・仮名論語179頁) 曽先生が言いました。「君子は、文をもって友と会し、友をもって仁を磨く助けとする」 子貢曰わく、貧しくして諂…

宿命を好きになり、楽しむ

宿命は変えられない。 変えられないのであれば、 宿命を嘆くよりも、 宿命を好きになり、 楽しんだ方が良いに決まっている。 子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(雍也第六・仮名論語74頁) 孔子先生は言…

よく和する令和

令には、 よいという意味があるので、 令和とは、よく和するという意味に解釈できる。 よく和するとはすなわち、 和を礼で調節することを説いた 次の論語の章句で表されている。 有子曰わく、礼の和を用て貴しと為すは、先王の道も斯を美と為す。小大之に由…

一人ひとりの個性を認め

一人ひとりの個性を認め、 良いところは伸ばし、 悪いところは抑える。 子曰わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。(顔淵第十二・仮名論語172頁) 孔子先生が言われました。 「君子は、人の美点(長所)を成就させ、人の悪い所(短…

保育園 父母会会長の式辞

第一子長男の通う保育園から 2018年度父母会会長を仰せつかっている。 卒園式では式辞を述べる機会を頂いた。 子供の成長の喜び、 園や先生方への感謝など 言いたいことは沢山だが、 次の章句を主題として話すことに決めた。 孟武伯、考を問う。子曰わく、父…

孝には親が子を抱く意味もある

孝という漢字は、 子が老(親)を背負うだけでなく、 老(親)が子を抱くことも示している。 江戸後期から明治初期の我が国は、 欧米人から「子供の楽園」と評されていた(「逝きし世の面影」より)。 もっと子供を大事にする社会に戻って良いのだと思う。 …

温故知新の意味

温故知新、 特に知新を「新たな知見を得る」と解釈するのには賛成しない。 現代でも通用する真理を知ると解釈するべきと思う。 真理とは新理であって、 いつの時代でも古びることなく真新しい。 リーダーとなるに相応しいのは、 その真理(新理)を知る人物…

人の過や、各々其の党に於てす(論語、里仁第四⑦)

分かり易く言えば、 悪い友達と付き合うな、 ということだろう。 子曰わく、人の過や、各々其の党に於てす。過を観て斯に仁を知る。(里仁第四・仮名論語40頁) 孔子先生が言われました。 「人の過ちは、その人の仲間内から生じるもの。過ちを観察して、そ…

儒の原字は濡

霧の中を歩けば 自然に衣が湿るように 本当の教えというものは 気づかないうちに沁み渡るのである。 子、子夏に言いて曰わく、女、君子の儒と為れ、小人の儒と為る無かれ。(雍也第六・仮名論語72頁) 孔子先生が子夏に言われました。 「お前は君子の学者…

君子は諸を己に求む(論語、衛霊公第十五)

ノーベル賞を受賞した 山中伸弥教授は、 「悪いことが起こったときは 『身から出たサビ』、 つまり自分のせいと考え、 良いことが起こったときは 『おかげさま』と思う」と月刊到知で語っている。 君子は諸を己に求むも これを参考に解釈したい。 子曰わく、…

心で見なくちゃ

サン=テグジュペリの 「星の王子さま」の中で 王子は狐に次のように教わった。 「心で見なくちゃ、 物事はよく見えないってことさ。 大切なことは目に見えないんだよ」と。 大学にも 心を正しくすることが物事を本質から判断すること(知)に繋がると説かれ…

一所懸命に行えば天命が分かる

力(つと)め行うは仁に近い、とある。 子曰わく、学を好むは知に近く、力め行うは仁に近く、恥を知るは勇に近し。(中庸第二十章・仮名中庸40頁) 孔子先生は言われました。 「学ぶことを好むのは知に近く、努力して行うことは仁に近く、恥を知ることは勇…

礼の和を用て貴しと為す(論語、学而第一⑫)

礼とは、和を調節するもの。 和とは、家族が和やかに楽しむ様子。 家族が和やかに楽しむ、 これこそが孔子が理想とした社会の姿、 すなわち仁なのではないだろうか? (礼、和と仁) 有子曰わく、礼の和を用て貴しと為すは、先王の道も斯を美と為す。小大之…

忠孝は服従でない

忠孝は決して服従ではない。 このことは、次の章句から明らかである。 曽子曰わく、夫の慈愛恭敬、親を安んじ名を揚ぐるがごときは、則ち命を聞けり。敢て問う、子父の令に従うを、考と言うべきか。子曰わく、是何の言ぞや、。是何の言ぞや。昔者、天子に争…

なぜ言葉を学ぶか?

言葉を学ぶのは 相手のことをもっと理解するため、 すなわち仁のためなのである。 孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり。(堯曰第二十・仮名論語313…

徳は純粋にしてゆくもの

文王の徳は純粋であったという。 徳とは純粋にしてゆくものなのだろう。 詩に云わく、維れ天の命、於穆として已まずと。蓋し天の天たる所以を曰うなり。於乎顕ならざらんや、文王の徳の純なると。蓋し文王の文たる所以を曰うなり。純も亦已まざるなり。 詩経…

忠信は誠と解釈する(論語、学而第一⑧)

忠信は真心から人が言うと書く。 誠は言葉が成ると書く。 忠信=誠と解釈しても良いのではないか? すると、この章句は、 次の中庸の章句と合わせて読むべきものとなる。 子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に…

適も無く莫も無し(論語、里仁第四⑩)

適の右側は啻の変形。 啻には真っ直ぐという意味がある。 適も無しは、 真っ直ぐを無くすということになる。 無くすべき真っ直ぐは絞直(苦しいほどの真っ直ぐさ)だろう。 適も無しとは 絞直を戒めたものと解釈するべきである。 子曰わく、君子の天下に於け…

できるかできないかは生涯かけてみないと分からない

できるかできないかは生涯かけてみないと分からない。 冉求曰わく、子の道を説ばざるに非ず、力足らざればなり。子曰わく、力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画れり。(雍也第六・仮名論語71頁) 冉求(冉有)が言いました。 「先生の教えが…

孔子も知識偏重を戒めた

孔子も知識偏重を戒めた。 子曰わく、知は之に及べども仁之を守ること能わざれば、之を得ると雖も必ず之を失う。知は之に及び仁能く之を守れども、荘以て之に臨まざれば、則ち民敬せず。知は之に及び仁能く之を守り、荘以て之に臨めども、之を動かすに礼を以…

他人の評価は気にしない

他人の評価は気にしない。 子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁) 孔子先生は言われました。 「人に認められないことを心配するのではない。自分が人を認めていないのではないか?と心配するのだ」 …

洒掃、応対、進退(論語、子張第十九③)

洒掃は清掃、整理整頓。 応対は挨拶、世辞。 進退は立ち居振る舞い。 子游曰わく、子夏の門人小子、洒掃応対進退に当たりては則ち可なり。抑末なり。之に本づくれば則ち無し。之を如何。子夏之を聞きて曰わく、噫、言游過てり。君子の道は孰れをか先に伝え、…

父母在せば、遠く遊ばず(論語、里仁第四⑲)

旅に限らず、 親に余計な心配をかけない、と解釈する。 子曰わく、父母在せば、遠く遊ばず。遊ぶこと必ず方あり。(里仁第四・仮名論語44頁) 孔子先生が言われました。 「父母の存命中は、遠くへ旅に出ないことだ。やむを得ず遠くへ旅するときは、父母に…

今年は戌年

犬は文飾と実質とバランスを説いた章句に登場する。 文飾と実質のバランスは文質彬彬。 戌年である今年は、文質彬彬を心掛けたい。 棘子成曰わく、君子は質のみ。何ぞ文を以て為さん。子貢曰わく、惜しいかな、夫子の君子を説くや。駟も舌に及ばず。文は猶質…

魯公

魯公は周公の子。 周公は自らの子を魯公とし、 魯の国を治めさせた。 この魯の国で孔子が生まれた。 孔子の時代の魯公は、哀公・定公であった。 周公、魯公に言いて曰わく、君子は其の親を施てず、大臣をして以いられざるを怨ましめず、故旧、大故無ければ、…