微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

洒掃、応対、進退(論語、子張第十九③)

洒掃は清掃、整理整頓。

応対は挨拶、世辞。

進退は立ち居振る舞い。


子游曰わく、子夏の門人小子、洒掃応対進退に当たりては則ち可なり。抑末なり。之に本づくれば則ち無し。之を如何。子夏之を聞きて曰わく、噫、言游過てり。君子の道は孰れをか先に伝え、孰れをか後に倦まん。諸を草木の区して以て別つに譬う。君子の道は焉んぞ誣うべけんや。始有り卒有る者は、其れ唯聖人か。(子張第十九・仮名論語296頁)
子游が言いました。
「子夏の弟子たちは、掃除や挨拶、立ち居振る舞いについては結構だが、そういったものは枝葉末節だ。根本的な部分は何も無い。これで良いのだろうか?」
子夏がこれを聞いて言いました。
「ああ子游は間違っている。君子の道を伝えるのに順序は無い。草木も種類によって育て方が違うように、伝える順序も人によって違って良いのだ。君子の道を個性を無視して押しつけるように伝えても良いのだろうか?君子の道の始めも終わりもある者は、ただ聖人だけだろう」