微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2011-01-01から1年間の記事一覧

孔子も酒を飲む

酒は量無く乱に及ばず。(郷黨第十・仮名論語133頁) 酒には決まった量はないが乱れて人に迷惑をかけるような飲み方はされなかった。 孔子先生もお酒を飲んでいた。 そして相当お酒に強かったことをうかがわせる。 ちなみに子罕第九・仮名論語119頁に…

聖徳太子と論語

聖徳太子が発布した十七条の憲法。 そこには、「和を以て貴しと為す」という言葉があります。 これは、論語に由来しています。 有子曰わく、礼の和を用(もっ)て貴(たっと)しと為すは、先王の道も斯(これ)を美と為す。小大(しょうだい)之に由れば、行…

ポジティブとはこういうこと?

ネガティブであるより、ポジティブの方が良いに決まっている。 ポジティブとは具体的に言えば、こういうことを言うのかもしれない。 子曰わく、位無きを患(うれ)えず、立つ所以(ゆえん)を患う。己を知る莫(な)きを患えず、知らるべきを為すを求むるな…

これも立派な被災地支援

今朝の日経の文化欄に「震災・原発事故どう伝えたか テレビ界、検証始まる」と題する記事がありました。一部抜粋します。 『災害発生から9カ月。被災地のテレビ局と在京局、あるいは被災した地域の間で、震災報道に温度差が生じ始めている。岩手、宮城、福…

松のように強くありたい

子曰わく、歳寒くして、然る後に松柏の彫(しぼ)むに後るるを知るなり。 (子罕第九・仮名論語124頁) 孔子先生が言われました。 「寒さが厳しくなって初めて、松や柏の木が他の木と違ってしぼまないのが分かる。人も苦しみにぶつかって初めて、真価が分…

そういうことだったのか!

論語の中で孔子先生は、詩が重要だよ、と言っています。 論語には、そんな章句がいくつか出てきます。 文学的センスがまるで無い私は、その意味が全く分かりませんでした。 しかし、下の新聞記事を読んで、衝撃を受けました。 孔子先生は、こういうことを伝…

見ざる、言わざる、聞かざる

「見ざる、言わざる、聞かざる」は 日光東照宮の三猿で有名。 論語に由来すると思われる。 顔淵仁を問う。子曰わく、己に克ちて礼に復るを仁と為す。一日己に克ちて礼に復れば、天下仁に帰す。仁を為すは己に由る。而して人に由らんや。顔淵曰わく、請う、其…

利益を社会のために

今週の日経夕刊「人間発見」は渋沢栄一先生の子孫であられる渋沢健さんでした。 以下、記事を抜粋します。 『高祖父の渋沢栄一を意識したのは40歳のとき。今は栄一の研究家として著作も多い。 2001年に米国のヘッジファンドを辞めて独立しようとしたときです…

天皇陛下の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

東日本大震災の際の天皇陛下のお言葉を全文掲載します。 『 この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震や津波による死者の数は日を追って増加し、犠牲者…

温良恭倹譲

子禽(しきん)、子貢に問うて曰わく、夫子(ふうし)の是(こ)の邦(くに)に至るや、必ず其(そ)の政(まつりごと)を聞く、之(これ)を求めたるか、抑抑(そもそも)之を与えたるか。子貢曰わく、夫子は温良恭倹譲、以(もっ)て之を得たり。夫子の之…

自分はどうかと、、、

子曰わく、賢を見ては斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては内に自(みずか)ら省みるなり。(里仁第四・仮名論語44頁) 孔子先生が言われました。 「知徳の優れた人を見れば自分もそうなりたいと思い、 つまらない人を見れば自分はどうかと内省する…

自分の仕事さえこなしていればいい?

昨日の日本経済新聞朝刊「私の履歴書」を一部抜粋します。 東レ名誉会長前田勝之助さんは、人事制度についてこのように書いています。 『 日本の多くの企業が年功序列型人事をやめ、業績評価に基づく人事制度を採用しているが、何を評価軸にするかが問題だ。…

論語の友

NPO法人論語普及会が毎月発行している「論語の友」。 論語に関する講義録が載っています。 なかなか講義を聴きに行けない私にとって、とても貴重な学習機会になっています。 日本全国各地にある「論語教室」の連絡先なども載っています。 論語普及会の会員に…

日本資本主義の父 渋沢栄一、再評価の機運

【日本資本主義の父 渋沢栄一、再評価の機運 拝金主義を反省 論語解釈に脚光】 という記事が10月8日の日経朝刊文化欄にありました。 一部を引用します。 『従来の儒教的観念では金もうけは卑しいことと見られてきた。 しかし、渋沢の解釈では、孔子は「ま…

優秀な営業マン

昨日の日経夕刊「人間発見」のなかで 大和証券グループ本社会長 鈴木茂晴さんは言っています。 『優秀な成績をあげているのはどんな社員か、会長になった今も気にしています。優秀な営業マンほど意外に口数が少ないという傾向があります。お客様の話をよく聞…

秋分の日にちなみ

今日は秋分の日ですので、それにちなんだ論語をどうぞ。 ○孔子先生の弟子の曽子が言いました。 親の最期を心から丁重にして、 そして先祖の祭礼を心を込めて手厚く行えば、 人々の徳は厚くなるものだよ。 曽子曰わく、終を慎み遠きを追えば、民の徳厚きに帰…

瀬島龍三さんの指導

一昨日の日経の「私の履歴書」を読んで、大ヒントを得たような気分になりました。 こんなことが書いてありました。 『(旧日本軍の大本営参謀だった瀬島龍三さんが、戦後伊藤忠商事に入社。 その瀬島さんが部下に対し)日常業務で指導されたのは、 (1)報告書…

孔子は個性に合わせて教えてくれる

孔子先生は、 教えを受ける側の個性に合わせて 教え方を変えていたようだ。 子路問う、聞くままに斯れ諸を行わんか。子曰わく、父兄の在すこと有り、之を如何ぞ、其れ聞くままに斯れ諸を行わんや。冉有問う、聞くままに斯れ諸を行わんか。子曰わく、聞くまま…

友人の結婚式にて

昨日、友人の結婚式・披露宴に参加しました。 新郎には、多種多様な友人がいます。 しかも皆、苦しい時期を共に過ごした長い付き合いの人たちです。 付き合えば付き合うほどほど、みな彼の人柄に魅了されているようです。 もちろん新婦もそんな彼を心から慕…

つまずいて転びそうになる時でも

君子は仁を去りて悪(いず)くにか名を成さん。 君子は食を終るの間も、仁に違うこと無く、 造次(ぞうじ)にも必ず是に於いてし、 顚沛(てんぱい)にも必ず是に於いてす。(里仁第四・仮名論語39頁) 君子は、仁の道から離れてどこで有徳で立派な方だと…

こども論語塾

これで小さなお子さんやお孫さんと一緒に 大きな声で論語を読めます。 下の画像は「その2」ですが、 「その1」と「その3」もあります。 各1,500円(税抜) 安岡定子著・明治書院 安岡定子先生は、安岡正篤先生のご令孫です。 日本各地で開催されてい…

仮名論語

論語は全20篇・約500の章句で構成されています。 約2500年前の中国で作られたものです。 そのままだと、現代に生きる日本人にはとても読めたものではありません。 そんな論語を平仮名さえ分かれば、誰もが通読できるようにした本がこの「仮名論語」です。 こ…

論語=日本人の道徳

旧5千円札の肖像画でおなじみの新渡戸稲造は、 その著書『武士道』の中で次のように書いている(要約)。 『 あるベルギーの法学者から「あなた方の国には宗教教育がないのですか。それでは、どのように子孫に道徳教育を授けるのですか。」と尋ねられ、私は…