『 日本の多くの企業が年功序列型人事をやめ、業績評価に基づく人事制度を採用しているが、何を評価軸にするかが問題だ。
私は評価の基準を「本務を100%達成しても60点。ヨコとナナメの組織に貢献して30点、心配りで10点」とした。人事評価に個人的な感情が紛れ込むのはご法度。役員の評価にもこの基準で臨んだ。
自分の仕事さえこなしていればいいという姿勢では、変化する環境と業務に追いつけない。隣の部、関連がある部の動きに連動してこそ臨機応変な対処が可能になる。それが「ヨコとナナメの組織に貢献する」という意味だ。』
下線を引いた部分に、論語のこの章句を思い出しました。
子曰わく、其(そ)の位に在らざれば、其の政を謀(はか)らず。(泰伯第八・仮名論語105頁、憲問第十四・仮名論語215頁)
孔子先生が言われました。
「その地位にいないのであれば、みだりにその職務について口出ししないものだよ。」
孔子先生が言われました。
「その地位にいないのであれば、みだりにその職務について口出ししないものだよ。」
自分の職務について、他の関係ない人から無責任に口出しされるのは、あまりいい気がしませんね。
孔子先生は、そのことを言われているのだと思います。
ところが、この章句のすぐ後(憲問篇)に、こんな章句があります。
この章句の曽子の言葉を真に受けてしまっては、
現代の企業では、人事評価を低くくされてしまいそうですね。
口出しはせずとも、隣接・関連する職務の動きにはついて行けるように、
準備しておくことが大切なのかも知れません。