微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

論語と算盤

会社勤めは道ではない

会社勤めには定年がある。 道に定年はない。 会社に勤めることそれ自体が道なのではない。 天の命ずる之を性と言い、性に率う之を道と言い、道を修むる之を教えと言うなり。 道なる者は、須臾も離る可からざるなり。離る可きは道に非ざるなり。(中庸第一章…

君子の人の使い方、小人の人の使い方

君子は人の器に応じた使い方をする。 小人は備わっていないことまで求める。 子曰わく、君子は事え易くして説ばしめ難し。之を説ばしむるに道を以てせざれば説ばざるなり。其の人を使うに及びては之を器にす。小人は事え難くして説ばしめ易し。之を説ばしむ…

仕事といい仕事というが、

仕事といい仕事というが、 ただ金銭を手に入れる手段だけなのだろうか? 子曰わく、礼と云い礼と云うも、玉帛を云わんや。楽と云い楽と云うも、鐘鼓を云わんや。(陽貨第十七・仮名論語269頁) 孔子先生が言われました。 「儀礼だ儀礼だといっても、単に…

エシカル(倫理的)消費

自然や文化の保護、社会貢献、 生産者の労働環境など、 モノが作られる背景を知ってから買う。 これをエシカル(ethical、倫理的)消費というようだ。 たとえば、 あるアクセサリーブランドは 南米のヤシの種を乾燥させ、磨き、 天然染料で色づけしたものを…

人と同じことをしてもしょうがない

自分にしかできないことを創造するべきだ。 人と同じことをしてもしょうがない。 子曰わく、之を如何、之を如何と曰わざる者は、吾之を如何ともする末きのみ。(衛霊公第十五・仮名論語234頁) 孔子先生が言われました。 「これはどうだろうか?、これは…

仕事を有意義なものにできるか否かは

あらゆる仕事に意義がある。 仕事を 有意義なものにできるか否かは 天命を自覚できるか否かによるのではないか? 孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり…

天職に暇は無いが、リフレッシュは必要だ

天職に暇は無い。 自分の仕事をよくしようと いつもいつでも考えるものだからだ。 とはいえ、 リフレッシュは必要。 でないと、 心を新鮮に保つのは難しい。 心が新鮮でなければ、 進化するための 新たなアイデアは浮かばない。 天職遂行のための リフレッシ…

天命に関係なく手にした利益は

人は天命に対し 真っ直ぐであるべきだ。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/12050008.html 天命に関係なく手にした利益は 雲のようなもの。 すぐに消えてなくなるに違いない。 子曰わく、富にして求むべくんば、執鞭の士と雖も、吾亦之を為さん。如し求む…

変化を脅威ではなく機会として捉える

経営学者のドラッカーは 「変化を脅威ではなく機会として 捉えなければならない」 と言った。 論語には 「知者は水を楽しむ」とある。 水は変化を表していると思う。 知は判断力であった。 知者は判断力があるから 変化に脅えず 変化の中にも好機を見出す。 …

イノベーションは技術革新と和訳されているが

イノベーションは 技術革新と和訳されているが、 本来の意味は 新しい価値の創造である。 イノベーションは 技術者だけでなく、 全ての人が担うものと言える。 顔淵仁を問う。子曰わく、己に克ちて礼に復るを仁と為す。一日己に克ちて礼に復れば、天下仁に帰…

良い料理人は素材の味を引き出し、

良い料理人は 素材の味を引き出す。 良い上司は 部下の持ち味を引き出す。 子曰わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。(顔淵第十二・仮名論語172頁) 孔子先生が言われました。 「君子は、人の美点(長所)を成就させ、人の悪い所…

会社にも使命

人に使命がある。 人の集まりである会社にも 使命があるに違いない。 天の命ずる之を性と言い、性に率う之を道と言い、道を修むる之を教えと言うなり。(中庸第一章・仮名中庸1頁) 天が命じたもの。これを性(個性・特性)という。その性にしたがい、それ…

対照的な二つの投資案件

一つ目はとても良い ビジネスモデルだった。 投資に踏み切るのに 何の躊躇も無かった。 だがうまくいかなかった。 彼は調子の良いことばかり言い、 最後はどこかへ消えていった。 二つ目は ビジネスモデルとしては 難のあるものだった。 それでも 彼の熱意や…

金持ちになれるかどうかは…

富貴天在。 金持ちになれるかどうかは 天が決めることだろう。 司馬牛、憂えて曰わく、人は皆兄弟有り、我独り亡し。子夏曰わく、商之を聞く、死生命有り、富貴天に在り。君子は敬(つつし)みて失うこと無く、人と与(まじわ)るに恭しくして礼有らば、四海…

多種多様が新たな価値を生む

創意工夫による新たな価値は 自分一人で考えるより 多種多様な人たちが集まり 切磋琢磨する中で考えた方が 生み出されやすい。 (創意工夫による新たな価値) 子曰わく、吾嘗(かつ)て終日食わず、終夜寝ず、以て思う。益無し。学ぶに如かざるなり。(衛霊…

お客様から頂くお代は投資

お客様から頂くお代というものは モノやサービスを 提供したことに対する対価 と考えるよりむしろ、 昨日より今日、今日より明日、 さらにより善いモノやサービスを 提供していくための投資 と考えるべきなのかもしれない。 子曰わく、学は及ばざるが如くす…

良さや取り柄に応じて仕事を頼む

人にはそれぞれ 良さや取り柄がある。 会社にもそれぞれ 良さや取り柄がある。 一人の人、一つの会社に あれもやれ、これもやれと 求めるのではなく、 良さや取り柄に応じて 仕事を頼みたいと思う。 子曰わく、君子は事え易くして説ばしめ難し。之を説ばしむ…

生きるために働くのか?、働くために生きるのか?

働くとは、 はた(傍)をらく(楽)にする ということ。 誰かを楽にすることだから、 働くことそれ自体が善 ということになるだろう。 善を積むのは人の道。 人は働くために生きるのだろう。 物に本末有り。事に終始有り。先後する所を知れば、則ち道に近し…

なぜ若い人はがむしゃらに働く必要があるのか?

「量は質を規定する」 という言葉がある。 量をこなせば自然と質も高まる という意味である。 若い人はがむしゃらに働け と言われる。 がむしゃらに働いて 量をこなすうちに 自然と仕事の質が高まる ということだろう。 人一たびして之を能くすれば、己之を…

親不孝者は仕事もダメ

社会のニーズに応えるとか 顧客満足度のアップとか 言っているが、 そもそも自分の親を 喜ばせることも出来ないのに、 他人様を喜ばせることが 出来るわけがないと思う。 子夏曰わく、賢を賢として色に易え、父母に事えて能く其の力を竭し、君に事えて能く其…

事業規模より持続性

派手に事業規模を拡大すれば 世間の注目を 集めることは出来る。 だが私は 無理に事業規模拡大したい などとは思わない。 無理に事業規模を拡大すれば 必ずその反動が来る。 反動が来たときに 最も迷惑を受けるのは 親愛なる社員や取引先。 私は事業規模より…

重大な判断を迫られた時

仕事でも何でも、 何か重大な判断を 迫られた時、 君子は何のために 生まれてきたのか? という所から考える。 小人は自分にとって 何か利益があるのか? という所から考える。 子曰わく、位無きを患えず、立つ所以を患う。己を知る莫きを患えず、知らるべき…

法律関係より信頼関係

契約など法律関係は 万が一の時のための備え。 普段大切なのは、 この会社なら、この人なら、 非道いことはしまいという 信頼関係。 大切にすべきは 法律関係よりも 信頼関係だろう。 子曰わく、之を道くに政を以てし、之を斉うるに刑を以てすれば、民免れて…

企業の社会貢献を考える

利益を上げて、 その利益を社会貢献に回す というのでは上から目線。 企業活動そのものが 社会貢献に直結する という同一目線であるべき。 松下幸之助も言った。 「適正な利益は企業の使命達成に対する報酬」と。 子罕に利を言う、命とともにし、仁とともに…

理想の上司を考える

業務に精通しているに 越したことは無いが、 必ずしもその必要は 無いように思う。 業務に精通することよりも、 前線で働くみんなが 持てる力を存分に 発揮できるような環境を 作れる者であるべきと思う。 大学の道は、明徳を明らかにするに在り。民に親しむ…

働かずに稼いだお金は不善の塊

働くとは、 はた(傍)をらく(楽)にする ということ。 誰かを楽にすることだから、 働くことそれ自体が善 ということになるだろう。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11899922.html 傍を楽にしないで得た所得など 不善の塊。 思いがけないことで消失す…

離職率の高い会社と取引したくない

担当がコロコロ変わる。 従業員がよく辞めていくようだ。 そんな会社と取引したいとは思わない。 葉公、政(まつりごと)を問う。子曰わく、近き者説(よろこ)べば、遠き者来(きた)る。(子路第十三・仮名論語191頁) 葉公が政治について大切なことを…

職場での人間関係に悩む

職場での人間関係に悩む。 そのせいでいつ辞めようかと考えてしまう。 でも、 何かのご縁があって頂いた今の仕事。 人間関係に悩んで後ろ向きになるよりも、 まずはこの仕事に誠心誠意取り組み 最善を尽してみようと思う。 必ず理解者は現れる。 子曰わく、…

仕事を楽しくする

上からの命令を待って それを忠実に実行する。 それも仕事のうちなのだろうが、 それだけでは仕事がつまらないものとなってしまう。 苦しいものとなってしまう。 自分で課題を見つけ、 その解決策を自分で考える。 何度も創意工夫を繰り返し、 新たな発想を…

金持ちになろうと思えば

「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の精神は、 近江商人の知恵である。 近江商人は、他国への行商で財を成した。 行商先では近江商人はよそ者となる。 よそ者である以上、 行商先や出店した地域に配慮した経営をしなければ、 商売を続けるこ…