微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

人と同じことをしてもしょうがない

自分にしかできないことを創造するべきだ。
 
人と同じことをしてもしょうがない。
 
 
子曰わく、之を如何、之を如何と曰わざる者は、吾之を如何ともする末きのみ。(衛霊公第十五・仮名論語234頁)
孔子先生が言われました。
「これはどうだろうか?、これはどうだろうか?と自分で考えるような者でなければ、私にはどうすることもできない」
 
 
子貢曰わく、如し博く民に施して、能く衆を済う有らば如何。仁と言うべきか。子曰わく、何ぞ仁を事とせん。必ずや聖か。堯舜も其れ猶諸を病めり。夫れ仁者は、己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す。能く近く譬を取る。仁の方と言うべきのみ。(雍也第六・仮名論語79頁)
子貢が尋ねました。
「もし広く民衆に施しをして民衆を救う者がいたとすれば、どうでしょうか?仁者というべきでしょうか?」
孔子先生が答えられました。
「仁者どころではない。それはもう聖人だろう。堯舜(伝説上の聖天子)でさえそれが難しいがために常に心を痛めていたのだ。仁者とは、自分が立とうと思えば先に人を立て、自分が達しようと思えば先に人を達させるように、日々の身近なところで行う人のことを言う。これが仁を実践する手近な方法だろう」