微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

自由は自らに由ると書く

自由とは自らに由ると書く。 だが自らに由れるほど 自らに自信は無い。 子曰わく、述べて作らず、信じて古を好む。竊に我が老彭に比す。(述而第七・仮名論語80頁) 孔子先生が言われました。 「私は古聖の道を述べているだけで創作はしていない。古聖の道…

人を人として扱うなら

人を人として扱うなら 敬意をもって指導すべきだ。 人を追い込み、 人の心を傷つけるような やり方をする指導者は 指導者として無能であると 白状しているようなものだ。 子路、君子を問う。子曰わく、己を修めて以て敬す。曰(い)わく、斯くの如きのみか。…

三年父の道を改むる無くんば(論語、学而第一⑪)

もしも子どもが 私が天命と思って 追求していることを 受け継いでくれるのなら、 これほど嬉しい親孝行は無い。 この気持ちを反映できるのは 次の章句しかないだろう。 この章句が 学而第一に置かれたことに 感謝せねばならない。 子曰わく、父在せば、其の…

増殖する子どもなオトナ

ご飯を食べさせ 知識や技能を習得させれば 子どもは一応オトナになる。 だが知識や技能だけでは 心は子どものままだろう。 心が子どものままだから、 アニメ・ゲーム・ライトノベル・ アイドル・ゆるキャラなど 芸術性の低いものに オトナが夢中になるのでは…

仕事を有意義なものにできるか否かは

あらゆる仕事に意義がある。 仕事を 有意義なものにできるか否かは 天命を自覚できるか否かによるのではないか? 孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり…

夫子は温良恭倹譲(論語、学而第一⑩)

弟子から見た孔子先生のお人柄。 これも論語全体で何度も繰り返されるテーマ。 これを最もよく表しているのが 温良恭倹譲なのではないか? そう考えると やはりこの章句も学而第一に相応しい。 子禽、子貢に問うて曰わく、夫子の是の邦に至るや、必ず其の政…

終を慎み遠きを追えば(論語、学而第一⑨)

上の立場にある人(君子)は 率先して範を垂れる。 これも論語全体で 何度も繰り返されるテーマ。 上の立場にある人が 率先して孝を考え実践し、 祖先を大事にすれば、 下の立場の人々の心は 豊かになる、ということだろうと思う。 曽子曰わく、終を慎み遠き…

妹の結婚式で泣いたのではない

妹の結婚式があった。 妹は父との関係が良いとは言えない。 妹と父は結局、 ヴァージンロードを一緒に歩かなかった。 だが、披露宴の最後、 新婦の手紙には、 父の愛情を感じられるエピソードや 父への感謝の気持ちが綴られていた。 私と母、特に母が 父と妹…

大切なことは目に見えない

サン=テグジュペリの 「星の王子さま」の中で 王子は狐に次のように教わった。 「心で見なくちゃ、 物事はよく見えないってことさ。 大切なことは目に見えないんだよ」と。 子曰わく、人にして遠き慮無ければ、必ず近き憂有り。(衛霊公第十五・仮名論語2…

安楽死について考えてみた

天命を追い求める者は そう簡単に命を投げ出さない。 耐えがたい苦痛が来てからでも よかったんじゃないか? 子、匡に畏す。曰わく、文王既に没したれども、文茲に在らずや。天の将に斯の文を喪ぼさんとするや、後死の者、斯の文に与るを得ざるなり。天の未…

ウチの子とか私の子とか所有格を使うが…

他に適当な言い方が無いので ウチの子とか私の子とか所有格を使う。 だが、 子どもは私とは別の人間。 一人の人間として しっかり尊敬したいのである。 子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁) 孔子先…

千乗の国を道くに(論語、学而第一⑤)

人間生きている以上、 何らかの形で必ずいつかは 上の立場に立つ。 したがって、 「千乗の国」に限定せず、 広く一般に 上の立場に立った場合の 心構えを説いた章句だと解したい。 そうしてみるとやはり、 学而第一篇に相応しい章句だと思える。 子曰わく、…

風に乗って飛べるのは

風が吹くかどうかは 天が決めること。 だが、ひとたび風が吹けば、 風はみんなに平等に吹く。 風に乗って飛べるのは、 飛ぶための最善の準備をしていた者だけだ。 色みて斯に挙り、翔りて而して後に集まる。曰わく、山梁の雌雉、時なるかな、時なるかな。子…