微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

なぜ論語を読むか?

儒の原字は濡

霧の中を歩けば 自然に衣が湿るように 本当の教えというものは 気づかないうちに沁み渡るのである。 子、子夏に言いて曰わく、女、君子の儒と為れ、小人の儒と為る無かれ。(雍也第六・仮名論語72頁) 孔子先生が子夏に言われました。 「お前は君子の学者…

誠の人は何故運が良いか?

誠の人は運が良いと言われるが、 次の一節がその説明に当たるように思える。 唯天下の至誠のみ、能く其の性を尽くすことを為す。能く其の性を尽くせば則ち能く人の性を尽くす。能く人の性を尽くせば、則ち能く物の性を尽くす。能く物の性を尽くせば、則ち以…

bienより論語好きな人はいない

bienより論語好きな人はいない。 こう言えるくらいになりたいのである。 子曰わく、十室の邑、必ず忠信丘が如き者有らん。丘の学を好むに如かざるなり。(公冶長第五・仮名論語64頁) 孔子先生が言われました。 「十軒ほどの小さな村にも、必ず私くらい忠…

自由は自らに由ると書く

自由とは自らに由ると書く。 だが自らに由れるほど 自らに自信は無い。 子曰わく、述べて作らず、信じて古を好む。竊に我が老彭に比す。(述而第七・仮名論語80頁) 孔子先生が言われました。 「私は古聖の道を述べているだけで創作はしていない。古聖の道…

大切なことは目に見えない

サン=テグジュペリの 「星の王子さま」の中で 王子は狐に次のように教わった。 「心で見なくちゃ、 物事はよく見えないってことさ。 大切なことは目に見えないんだよ」と。 子曰わく、人にして遠き慮無ければ、必ず近き憂有り。(衛霊公第十五・仮名論語2…

どんなに良い学校を卒業しても

どんなに良い学校を卒業しても 社会に出れば 学校で習いもしなかった問題や 見たことも聞いたことも無い 問題に対処しなければならない。 事前に用意された正解など無く、 解決策は自分の頭で 考え出さなければならない。 なので社会に出る前には 正解を詰め…

宗教は神様仏様への信仰ではない

宗教の宗という漢字は 本という意味。 なので宗教とは 基本の教えという意味になる。 何の基本かと言えば、 人間としての基本に他ならない。 つまり宗教とは本来は 神様仏様への信仰ではなく、 人間としての基本の教え なのである。 人間としての基本の教え…

変えていいもの、いけないもの

世の中には 変えてはならない根本と 柔軟に変えていくべき 枝葉末節がある。 孔子の教えが 2500年も受け継がれているのは それが変えてはならない根本 だからだろう。 孔子の教えを知ることにより 変えてはならないものと 柔軟に変えていくべきものの 違…

空気を読むのも大切だが…

空気を読むのも大切なことだが、 空気を読むばかりで 流されるだけの人になっている のではないか?と心配するのである。 子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。(子路第十三・仮名論語196頁) 孔子先生が言われました。 「君子は人との調…

人から良く思われたいとか考えなくなった

人から良く思われたいとか考えなくなった。 子曰わく、我を知ること莫きかな。子貢曰わく、何為れぞ其れ子を知ること莫からんや。子曰わく、天を怨みず、人を尤めず、下学して上達す。我を知る者は其れ天か。(憲問第十四・仮名論語219頁) 孔子先生が「…

軽薄な情報に振り回される

多くのマスメディアは 軽佻浮薄な情報を垂れ流す。 仁に遠い。 そんな情報に振り回されたくないのである。 子曰わく、剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し。(子路第十三・仮名論語198頁) 孔子先生が言われました。 「剛毅木訥(芯があって口数の少な…

論語を読むに当たって大切なのは

論語は人生のガイドブック。 論語を読むに当たって大切なのは、 正確な書き下しとか、 分かり易い現代語訳ではなく、 自分でどう活用するかにある。 子曰わく、仁に当たりては、師にも譲らず。(衛霊公第十五・仮名論語243頁) 孔子先生が言われました。 …

論語は人生のガイドブック

旅に出るとき 多くの人は事前に ガイドブックを買う 短い旅の時間を 充実させるために 人生も旅に似ている なのに多くの人は ガイドブックを持たない 論語に代表される孔子の教えには どう生きるか?に対するヒントが 多く掲載されている この意味で論語は …

論語なんて読んでどうすんの?

かつてこんなことを言われた。 『論語なんて大昔の本を読んでどうなんの? 現実とか未来を見た方がいいんじゃない?』と。 こんなことを言う人に限り、 反面教師とする題材には事欠かない。 子曰わく、賢(けん)を見ては斉(ひと)しからんことを思い、不賢…

流されない人になる

膨大な量の情報や 目まぐるしい変化に 流されないように 心にしっかりとした拠り所を持つ。 2500年の歴史の風雪を耐え抜いた論語は 心の拠り所、判断の拠り所として間違いは無いと思う。 子曰わく、君子は博く文を学び、之(これ)を約するに礼を以(も…

自分の声を信じ歩く?

自分の声を信じ歩けたら、 そもそも迷い悩む必要などない。 自分の声を信じられないからこそ、 人は迷い悩むのだ。 迷い悩まないために、 人は学ぶ。 初めは人から学び、 字が読めるようになれば、 書物から学び、 さらに進めば天から学ぶ。 子曰わく、吾(…

声を出して読むことに何の意味があるのか

江戸時代の各藩は、教育を重んじ、競うかのように学校(藩校)をつくりました。 また、多くの寺子屋が江戸で千、全国では万を超えて存在したと言われます。 そうした藩校や寺子屋では、論語の「素読」が行われていたようです。 素読とは、 「文章の意味はさ…