微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2015-01-01から1年間の記事一覧

己立たんと欲して人を立て(論語、雍也第六㉚)

孔子先生は 弟子の個性に合わせて教えてくれる。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/682328.html 「己立たんと欲して人を立て、 己達せんと欲して人を達す」は 子貢に対する言葉。 そのまま真に受けるのは適当でない。 この言葉がもし 不特定多数に向けて …

三省(論語、学而第一④)

「三」は何度も。 「省」は反省だけでなく、 不善を省くと解釈するべきである。 曽子曰わく、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。(学而第一・仮名論語2頁) 曽先生が言いました。 「私は…

知仁勇の読み方

知仁勇は「ちじんゆう」と読む。 知仁勇の三の者は天下の達徳なり。之を行う所以の者は一なり。(中庸第二十章・仮名中庸38頁) 知・仁・勇の三つは、古今東西いつの時代もどこの場所でも通達(通用)する徳である。この三徳を行う基盤は一(誠)である。 …

働いて稼いだお金では遊ばない

働いて稼いだお金では極力遊ばない。 働いて稼いだお金で資産を買う。 資産が生んだお金で初めて遊ぶ。 仁者は財を以て身を発(おこ)し、不仁者は身を以て財を発す。(大学・仮名大学34頁) 仁者は財産によってその身を興す。不仁者はその身を犠牲にして…

禁欲でなく寡欲

禁欲でなく寡欲である。 つまらん欲求は最小限に留めたい。 子曰わく、吾未だ剛なる者を見ず。或ひと対えて曰わく、申棖と。子曰わく、棖や慾あり。焉んぞ剛なるを得ん。(公冶長第五・仮名論語54頁) 孔子先生が言われました。 「私はまだ、剛(芯の強い…

論語と酒

論語には 「酒は量無く乱に及ばず」という言葉がある。 「乱れさえしなければ 酒を大量に飲んで良い」 との解釈も可能であるが、 この解釈には賛成しない。 酒は特別な場合に限って飲むもの。 似たような章句で「喪」が同時に使われているからである。 子曰…

巧言令色(論語、学而第一③)

巧言令色が必要なときもある。 巧言令色を全否定する趣旨ではないだろう。 文飾と実質のバランスを保つのが論語のテーマの一つ。 巧言令色は文飾の一例。 巧言令色も 実質とバランスがとれていれば、 許されるのではないだろうか? 子曰わく、巧言令色、鮮な…

言を知らざれば、以て人を知ること無きなり(論語、堯曰第二十⑤)

言葉は時に人の心を傷付ける。 心を傷付けられた人は心を閉ざす。 心を閉ざされれば、その人を理解することは難しくなる。 言葉を知らなければ 人を知ることができないとは、 このことをいうのかもしれない。 孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること…

有子・曽子・子夏・子貢の言葉が揃う篇

有子は孔子の教えを代弁し、 曽子は孔子の教えをよく受け継ぎ、 子夏もまた良い言葉を遺し、 子貢は孔子から名言をよく引き出した。 この4人全員の言葉が揃うのは、学而篇のみ。 学而篇には何か総集編的役割があるように思える。 子曰わく、学びて時に之を…

どんなに長い夜も必ず明ける

シェイクスピアの「マクベス」には 「どんなに長い夜も必ず明ける」という台詞がある。 子曰わく、歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るるを知るなり。(子罕第九・仮名論語124頁) 孔子先生が言われました。 「寒さが厳しくなって初めて、松や柏が他の…

生きてる意味は必ずある

生きてる意味は必ずある。 季路、鬼神に事えんことを問う。子曰わく、未だ人に事うること能わず、焉んぞ能く鬼に事えん。曰わく、敢て死を問う。曰わく、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。(先進第十一・仮名論語146頁) 季路(子路)が孔子先生に尋ね…

怒らない子育てに賛同できない

人の道は天に学ぶことにある。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11764759.html 天も怒る。 だから怒ること自体は悪くない。 悪いのは 怒るべきでないのに怒ったり、 いつまでも怒っていたり、 怒りをぶつけたり、 適節に怒ることができないことだと思う…

子供の声を騒音とは不仁ではないか?

仁とは人の道であり、 人の道は誠であり、 誠は感化育成でもある。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11741972.html 子供とは感化育成するべき存在である。 それが騒音だとは… 少子高齢社会となり 周りに子供がいなくなった。 みな子供をどう扱ったら良い…

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

南米ウルグアイの大統領を務めた ホセ・ムヒカ氏の演説をもとにした 絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)が売れている。 スピーチは2012年、 ブラジルで開かれた環境の国際会議でのもの。 各国首脳が温暖化ガス削減や 開発政策を論じる…

誠の人は何故運が良いか?

誠の人は運が良いと言われるが、 次の一節がその説明に当たるように思える。 唯天下の至誠のみ、能く其の性を尽くすことを為す。能く其の性を尽くせば則ち能く人の性を尽くす。能く人の性を尽くせば、則ち能く物の性を尽くす。能く物の性を尽くせば、則ち以…

詩を学ぶ意義

人類は 文字を発明する遙か前から 詩を作り伝承していた。 詩は言葉や文章を 一定のリズムや韻律で並べ、 人々に感動を与える。 感動は人々の心を洗い清める。 心が洗い清められると 悪いことをしたいと思わなくなる。 だから孔子先生は詩を学ぶことを 推奨…

従心―七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず(論語、為政第二④)

孔子先生は 「七十にして 心の欲する所に従えども、 矩を踰えず」と言われた。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二…

耳順―六十にして耳順い(論語、為政第二④)

孔子先生は 「六十にして耳順い」と言われた。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二・仮名論語12頁) 孔子先生が言…

知命―五十にして天命を知り(論語、為政第二④)

孔子先生は 「五十にして天命を知り」と言われた。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二・仮名論語12頁) 孔子先生…

不惑―四十にして惑わず(論語、為政第二④)

孔子先生は 「四十にして惑わず」と言われた。 「惑わず」といえば 「知者は惑わず」という言葉もある。 子曰わく、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。(子罕第九・仮名論語125頁) 孔子先生が言われました。 「知者は迷わない。仁者は余計な心…

志学―十有五にして学に志し(論語、為政第二④)

孔子先生は 「15歳の頃、学問に志した」と言われた。 学びには三段階ある。 人に学び、 書に学び、 天に学ぶ。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11764759.html この頃はまだ、 人に学ぶ段階だったかもしれない。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三…

而立―三十にして立つ(論語、為政第二④)

孔子先生は 「三十にして立ち」と言われた。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二・仮名論語12頁) 孔子先生が言わ…

君子は本を務む、本立ちて道生ず(論語、学而第一②)

「本」とは この章句にあるように、 孝弟と解釈するのが通常と思う。 だが、大学を受けて 「修身」と解釈しても良いように思う。 このように解釈することで、 「本立ちて道生ず」の「道」を 「君子の道」と解釈しやすくなる。 有子曰わく、其の人と為りや、…

40の顔に責任を持て

「40の顔に責任を持て」とは リンカーン元米国大統領の言葉という。 論語にも似たような言葉がある。 子曰わく、年四十にして悪まるるは、其れ終わらんのみ。(陽貨第十七・仮名論語278頁) 孔子先生が言われました。 「四十にもなって憎まれるような者…

下問を恥じず(論語、公冶長第五⑮)

上司が部下にものを尋ねるのに、 恥じる必要は無いと解釈できる。 だが無条件に恥じる必要が無いのではない。 孔文子がこれをできたのは 行動が俊敏で謙虚に学ぶことを好んだからであろう。 行動が俊敏で謙虚に学ぶ人格を 形成していたからこそ、 部下にもの…

上を犯す(論語、学而第一②)

弟が入っているので、 「上」は目上と解釈するのが通常。 だが、 中庸の最終章と関連付けて、 上天すなわち天と解釈することも可能と思う。 その方が深みが増す。 有子曰わく、其の人と為りや、孝弟にして上を犯すを好む者は鮮なし。上を犯すを好まずして乱…

真珠湾ではなく満州事変から始まった

70年前終わった戦争は、 真珠湾攻撃から 始まったのではなく、 満州事変から始まった。 満州事変以降、 日本軍は 中国義勇兵によるテロと戦っていた。 盧溝橋事件以降は 中国軍と全面衝突(支那事変・日中戦争)するようになった。 やがてアメリカは 日本が…

サイパン陥落して降伏せず、これを過ちという

グアム→パラオ→フィリピン→硫黄島→日本本土への大空襲→沖縄での地上戦→広島・長崎への原爆投下 このように、 70年前の戦争によって 犠牲となった方々の大多数は サイパン陥落後であった。 サイパン陥落は 日本本土がB29による爆撃射程圏に入ることを意味した…

孝(論語、学而第一②)

「教」という漢字には「孝」が入っている。 漢字が作られた大昔、 教えるといえば孝だったからだろう。 孝が人間を動物と分けるものと 考えられていたからかもしれない。 「孝」とは何か? これも何度も繰り返される論語のテーマの一つである。 有子曰わく、…

子供の名付け

第一子も今回の第二子も 響き・読みは妻が考え、 私は漢字を考えた。 妻は流行を大事にしたようだ。 おかげで今風な響き・読みとなった。 私は漢字を論語の中から選んだ。 仁道を歩んでほしいという願いを込めて。 私も妻も 子供たちに良いプレゼントができ…