微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

而立―三十にして立つ(論語、為政第二④)

孔子先生は
「三十にして立ち」と言われた。


子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二・仮名論語12頁)
孔子先生が言われました。
「私は15歳の頃、学問に志した(志学)。30歳で自立し(而立)、40歳で惑わなくなった(不惑)。50歳で天命を知り(知命)、60歳で素直に聞こえるようになり(耳順)、70歳で心の欲する所に従っても道を外すようなことは無くなった(従心)」


「立つ」とは
修身や礼と共に使われている。

孔子先生は30歳で身を修め、
礼を身につけた
と解釈するべきなのかもしれない。


有子曰わく、其の人と為りや、弟にしてを犯すを好む者は鮮なし。上を犯すを好まずして乱を作すを好む者は未だ之れ有らざるなり。君子はを務む、本立ちて道生ず。孝弟なる者は、其れ仁を為すの本か。(学而第一②・仮名論語1頁)
有先生が言いました。
「人柄が孝弟な者に、上天の法理を犯すことを好むような者は少ない。上天の法理を犯すことを好まない者で、世の中を乱すことを好む者はいない。君子は本(修身)を大事にする。本が確立すれば道が開ける。孝弟は仁を行う本であろうか?」


子曰わく、詩に興り、礼に立ち、楽に成る。(泰伯第八・仮名論語103頁)
孔子先生が言われました。
「(人は)詩によって始まり、礼によって自立し、音楽によって完成する」


孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり。(堯曰第二十・仮名論語313頁)
孔子先生が言われました。
「天命を知らなければ、君子の資格は無い。礼を知らなければ、社会に立つことはできない。言葉を知らなければ、人を知ることはできない」


身を脩むれば則ち道立ち(中庸第二十章、仮名中庸41頁)