微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

#哲学

宿命を好きになり、楽しむ

宿命は変えられない。 変えられないのであれば、 宿命を嘆くよりも、 宿命を好きになり、 楽しんだ方が良いに決まっている。 子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(雍也第六・仮名論語74頁) 孔子先生は言…

君子は諸を己に求む(論語、衛霊公第十五)

ノーベル賞を受賞した 山中伸弥教授は、 「悪いことが起こったときは 『身から出たサビ』、 つまり自分のせいと考え、 良いことが起こったときは 『おかげさま』と思う」と月刊到知で語っている。 君子は諸を己に求むも これを参考に解釈したい。 子曰わく、…

木鐸はメッセンジャー

木鐸とは木製の舌のある金属製の鈴。 法令などを民に知らせる時に振り鳴らしたという。 分かり易く言えば、メッセンジャーだろうか。 孔子先生はメッセンジャーということになる。 儀の封人、見えんことを請う。曰わく、君子の斯に至るや、吾未だ嘗て見える…

食事中、テレビを消すことにした

1年ほど前から、食事中、テレビを消すことにした。 よく味わって食べるため、 天地のお恵みや万人の苦労に思いを馳せるためである。 子曰わく、仁遠からんや。我仁を欲すれば、斯に仁至る。(述而第七・仮名論語92頁) 孔子先生が言われました。 「仁は決…

命には宿命、運命、天命(使命)がある

命には宿命、運命、天命(使命)がある。 宿命は変えられないが、運命は変えられる。 与えられた宿命のもと、最善を尽くす。 最善を尽くしていれば、必ず天命(使命)が見つかる。 天命(使命)が見つかれば、運命は必ず好転する。 孔子曰わく、命を知らざれ…

和して同ぜず(論語・子路第十三㉓)

付和雷同を戒めるものとして 解釈するのも良い。 「和して同ぜず」は付和雷同の戒め または、 大学の三綱領「民に親しむ」 に関連づけて、 次のように解釈するのも良いように思う。 子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。(子路第十三・仮名論…

忠は君子や仁の要素

忠は君子や仁の要素でもある。 樊遅、仁を問う。子曰わく、居る處恭、事を執りて敬、人と與りて忠なるは、夷狄に之くと雖も棄つべからざるなり。(子路第十三・仮名論語193頁) 樊遅が仁について尋ねました。 孔子先生が答えられました。 「立ち居振る舞…

己立たんと欲して人を立て(論語、雍也第六㉚)

孔子先生は 弟子の個性に合わせて教えてくれる。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/682328.html 「己立たんと欲して人を立て、 己達せんと欲して人を達す」は 子貢に対する言葉。 そのまま真に受けるのは適当でない。 この言葉がもし 不特定多数に向けて …

生きてる意味は必ずある

生きてる意味は必ずある。 季路、鬼神に事えんことを問う。子曰わく、未だ人に事うること能わず、焉んぞ能く鬼に事えん。曰わく、敢て死を問う。曰わく、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。(先進第十一・仮名論語146頁) 季路(子路)が孔子先生に尋ね…

従心―七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず(論語、為政第二④)

孔子先生は 「七十にして 心の欲する所に従えども、 矩を踰えず」と言われた。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二…

不惑―四十にして惑わず(論語、為政第二④)

孔子先生は 「四十にして惑わず」と言われた。 「惑わず」といえば 「知者は惑わず」という言葉もある。 子曰わく、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。(子罕第九・仮名論語125頁) 孔子先生が言われました。 「知者は迷わない。仁者は余計な心…

志学―十有五にして学に志し(論語、為政第二④)

孔子先生は 「15歳の頃、学問に志した」と言われた。 学びには三段階ある。 人に学び、 書に学び、 天に学ぶ。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11764759.html この頃はまだ、 人に学ぶ段階だったかもしれない。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三…

而立―三十にして立つ(論語、為政第二④)

孔子先生は 「三十にして立ち」と言われた。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二・仮名論語12頁) 孔子先生が言わ…

今年達成できたこと

今年、論語・大学・中庸の音読が 100回に到達した。 覚えるほど読み込んだ。 だが、読めば読むほど、 知れば知るほど、 孔子先生の教えが 深くて高くて遠くて広くて… なんとなく次の章句にある 顔淵の気持ちがわかるような気がする。 顔淵、喟然として歎…

述べて作らず(論語、述而第七①)

「述べて作らず」 孔子先生は 「述べているだけで創作はしてない」と仰った。 子曰わく、述べて作らず、信じて古を好む。(後略)(述而第七・仮名論語80頁) 孔子先生が言われました。 「私は述べているだけで創作はしていない。古聖を信じて好んでいるに…

過てば則ち改むるに(論語、学而第一⑧)

人間であれば 誰だって間違いはある。 大事なのはすぐに改める ということなのだろう。 子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし己に如かざる者を友とする無かれ。過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。(学而第一・仮名…

水を楽しむ(論語、雍也第六㉓)

「知者は水を楽しむ」とは どういうことだろうか? 水は変化を表す。 世の中には 変化しないものは無い(諸行無常)。 それゆえ人間は、 変化に脅えるのではなく、 変化に適応して進化せねばならない。 知者には 仁(人のあるべき道)を見分ける判断力があっ…

人の生くるや直し

真っ直ぐであるべきだ。 天命に対して 真っ直ぐであるべきだ。 子曰わく、人の生くるや直し。之を罔いて生くるや、幸いにして免るるなり。(雍也第六・仮名論語74頁) 孔子先生が言われました。 「人はもともと真っ直ぐなものだ。それを曲げて生きている人…

置かれた場所で綺麗に咲く

タンポポは決して 不平不満を言わない。 たとえコンクリートの狭間でも 置かれた場所で 綺麗な花を咲かせる。 やがて綿毛となり 風に乗って天高く飛ぶ。 子曰わく、君子は上達し、小人は下達す。(憲問第十四・仮名論語214頁) 孔子先生が言われました。…

正しい解釈を押しつけない

論語の正しい解釈はこれだ と決めつけて それを他人に押しつける。 果たして孔子は そんなつまらないことを 求めるだろうか? 論語の解釈や読み方は 時代に応じて あるいは読み手一人一人の 経験に応じて 百人百様あってよいのでは ないだろうか? 仁に反し…

朝に道を聞けば

仁とは人の道。 理想的な人間社会の姿でもある。 孔子先生は仁が実現すれば 死んでしまっても 構わないとまで思っていた。 天命とはそれほどまで懸命に 追い求めるものなのだろう。 子曰わく、朝に道を聞けば、夕に死すとも可なり。(里仁第四・仮名論語41…

感謝することが仁

人間を含めあらゆる生物は 大自然の恩恵を受ける。 だがその大自然の恩恵に 感謝できるのは人間だけ。 大自然の恩恵に感謝することは 仁(人の道)と言える。 今この瞬間も 無意識にしている呼吸さえも 大自然の恩恵。 呼吸さえも 当たり前と思ってはならな…

正しいと思うなら妥協せずに成し遂げる

正しいと本気で思うなら、 妥協せずに成し遂げる。 最初は反対する者が 多いかもしれないが、 必ず理解者は現れる。 子曰わく、徳は孤ならず。必ず隣有り。(里仁第四・仮名論語46頁) 孔子先生が言われました。 「徳を行う者は決して孤独ではない。必ず近…

善を選んで誠になる

一つ一つ目の前の善を選ぶ。 こうして 善を積み重ねてゆくことで、 誠になれるのではないかと思う。 身を誠にするに道有り。善に明らかならざれば、身に誠ならず。 誠は天の道なり。之を誠にするは、人の道なり。誠は勉めずして中り、思わずして得、従容とし…

明徳は目に見える徳

徳は明徳と陰徳から成る。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/10998866.html 明徳は目に見える徳。 陰徳は目に見えない徳。 陰徳を積み重ねると、 いつしか外に表れる。 この表れたものが明徳である。 大学の道は、明徳(めいとく)を明らかにするに在(あ…

変化に適応する

世の中に変化しないものは無い (諸行無常)。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11382405.html ダーウィンの進化論には 次の言葉がある。 「生き残る種は、 最も強い種でもなく、 最も賢い種でもない。 環境の変化に最も敏感に 反応する種である」 変化…

変化しないものは無い(諸行無常)

世の中に常なるものは無く 物事は変化し続ける。 仏教ではこれを 諸行無常というようだ。 論語では次の章句の解釈に 反映できるだろうか? 子、川の上(ほとり)に在りて曰わく、逝(ゆ)く者は斯(かく)の如きか。昼夜を舍(お)かず。(子罕第九・仮名論…

直き心はどんなものだろうか?

では直き心はどんなものだろうか? 直き心は 発光する鏡のようなものとイメージしている。 鏡のようなものなので、 常に磨いておかないと 曇ったり汚れがついたりして 発光することができなくなってしまう。 詩に云(い)わく、徳の軽(かろ)きこと毛の如(…

「知」は物事を本質から判断する

知とは判断力のことだった。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/9960834.html では、判断力といっても どのように判断する力なのだろうか? 大学には次のようにある。 知を致すは物を格すに在り。(大学・仮名大学3頁) 「致す」は極めるを意味し、 「格」は…

孔子は真心を大事にされた

孔子先生は真心を大事にされたのである。 子、四を以て教う。文、行、忠、信。(述而第七・仮名論語90頁) 孔子先生は、次の四つの目的をもって教えられた。 ①読書②実践③誠実④信義。 子曰わく、巧言令色、鮮なし仁。(学而第一・仮名論語2頁、陽貨第十七・…