微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

過てば則ち改むるに(論語、学而第一⑧)

人間であれば
誰だって間違いはある。
 
大事なのはすぐに改める
ということなのだろう。
 
 
子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし己に如かざる者を友とする無かれ。過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。(学而第一・仮名論語4頁)
孔子先生が言われました。
「君子は、(発言や行動を)重々しくしないと威信がなくなる。(人としての道を)学べば頑固でなくなる。忠信を第一とし、
自分と同じように忠信を第一としていない者を友としてはならない。そして自分が間違っていると思ったら、それを改めるのに遠慮してはならないのだよ」
 
 
間違えた人が訂正するのを
遠慮するなということは、
訂正される方は
寛容に許す度量をもて
ということかもしれない。
 
ただ、
間違えた方はその寛容さに
甘んじてはならない。
 
同じ間違えを
繰り返えさないよう心がけ、
さらには
間違え自体を少なくしようと
心がけねばならないと思う。
 
 
哀公問う、弟子、誰か学を好むと為す。孔子えて曰わく、顔回なる者有り、学を好めり。怒りを遷さず、を弍たびせず。不幸短命にして死せり。今や則ち亡し。未だ学を好む者を聞かざるなり。(雍也第六・仮名論語66頁)
哀公(魯国の君主)が「弟子の中で本当に学を好む者は誰か」と尋ねられました。
孔子先生は答えられました。
顔回という者がおりました。彼は怒ったときでも、その怒りを関係のない者にまでうつすようなことはしませんでした。同じ過ちを繰り返すようなこともしませんでした。しかし、不幸にも若くして死んでしまい、もうこの世にはおりません。それからは、本当に学を好む者はいないようでございます」
 
 
蘧伯玉、人を孔子に使いせしむ。孔子之と坐して、問うて曰わく、夫子何をか為す。対えて曰わく、夫子は其を寡なくせんと欲して、未だ能わざるなり。使者出ず。子曰わく、使いなるかな、使いなるかな。(憲問第十四・仮名論語215頁)
蘧伯玉(衛の国の大夫)が孔子先生のところへ使者を寄こしました。
孔子先生はこの使者と向かい合って座られ、「蘧先生は、どうしておられますか」と尋ねられました。
使者が答えました。
「蘧は、自分の過ちを少なくしようと思って努力しておりますが、未だ思うようにできないようでございます」
使者が帰ったあと、孔子先生が言われました。
「立派な使者だなぁ、立派な使者だなぁ」