微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2013-01-01から1年間の記事一覧

口先より実践

前回みてきたように、 孔子先生は実践を重んじる。 口先だけよりも 実践であった。 子貢、君子を問う。子曰わく、先(ま)ず行う、其(そ)の言(ことば)は而(しか)る後に之(これ)に従う。(為政第二・仮名論語17頁) 弟子の子貢が君子について質問を…

論語を読むに当たって大切なのは

論語は人生のガイドブック。 論語を読むに当たって大切なのは、 正確な書き下しとか、 分かり易い現代語訳ではなく、 自分でどう活用するかにある。 子曰わく、仁に当たりては、師にも譲らず。(衛霊公第十五・仮名論語243頁) 孔子先生が言われました。 …

知る権利も大事だが…

権利権利というが、 友好国との信義も大事。 秘密をあばいて 「直」とする者を出してはならないのだ。 内閣総理大臣は自衛隊の最高司令官。 そうである以上、 内閣総理大臣が軍を統率できなかった戦前に戻ることは有り得ない。 子貢問うて曰わく、君子もまた…

孔子は実践を重んじる

前回見てきたように、 「楽しく学び実践すること」は 論語の三大テーマの一つ。 孔子先生が実践を重んじていたことは 次の章句からも分かる。 子、四を以て教う。文、行、忠、信。(述而第七・仮名論語90頁) 孔子先生は、次の四つの目的をもって教えられた…

一方的なやり方は怨みを買う

一方的なやり方は怨みを買うだけ。 また戦争の危険が高まってしまった…。 子曰わく、利に放(よ)りて行えば、怨(うらみ)多し。(里仁第四・仮名論語42頁) 孔子先生が言われました。 「自分の利益のみを考えて行動すれば、人に怨まれることが多い」 子…

友だちのつくり方?

前回見てきたように 良き友を持つことは 論語三大テーマの一つ。 論語には 友だちのつくり方も書いてあるように思う。 曽子曰わく、君子は文を以(もっ)て友を会し、友を以て仁を輔(たす)く。(顔淵第十二・仮名論語179頁) 曽先生が言いました。 「君…

無いことを恨むより

無いことを恨むより 有ることに感謝する。 子曰わく、我を知ること莫きかな。子貢曰わく、何為れぞ其れ子を知ること莫からんや。子曰わく、天を怨みず、人を尤めず、下学して上達す。我を知る者は其れ天か。(憲問第十四・仮名論語219頁) 孔子先生が「私…

「誇り」はペラペラしゃべるものではない

1991年10月31日、湾岸戦争後の呉港でのこと。イラクがペルシャ湾に敷設した機雷の掃海作戦を無事完了し、帰国した海上自衛隊員を前に、落合畯群司令は最後の訓示を行った。以下、一部を紹介する。 「隊員諸君は、この半年間、ペルシャ湾において、劣悪な環境…

出る杭は伸ばす

出る杭を打つ。 こんなことをするような者は小人。 君子は必ず出る杭を伸ばそうと 手助けする者である。 子曰わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是(これ)に反す。(顔淵第十二・仮名論語172頁) 孔子先生が言われました。 「君子は、人…

「知」は物事を本質から判断する

知とは判断力のことだった。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/9960834.html では、判断力といっても どのように判断する力なのだろうか? 大学には次のようにある。 知を致すは物を格すに在り。(大学・仮名大学3頁) 「致す」は極めるを意味し、 「格」は…

真面目・正直は大事なことだが…

真面目・正直は大事なことだが、 それを都合よく利用しようとする者がいることには 十分注意しなければならない。 子曰わく、弟子、入りては則ち孝、出でては則ち弟、謹みて信、汎く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば、則ち以て文を学べ。(学而第一・…

恒有る者

成功の道は信用を得ることである。 どんなに才能や手腕があっても、 平凡なことを忠実に実行できないような若者は、 将来の見込みはない。 (阪急電鉄の創業者、小林一三の言葉) 子曰わく、聖人は吾(われ)得て之(これ)を見ず。君子者を見るを得ば、是(…

論語は人生のガイドブック

旅に出るとき 多くの人は事前に ガイドブックを買う 短い旅の時間を 充実させるために 人生も旅に似ている なのに多くの人は ガイドブックを持たない 論語に代表される孔子の教えには どう生きるか?に対するヒントが 多く掲載されている この意味で論語は …

教育勅語は創られた道徳なのか?

日本経済新聞の井上亮編集委員が また明治時代について的外れなことを書いている (過去の記事:皇位継承問題、日経へ反論)。 今回の記事を一部抜粋・要約すると次のようになる。 (10月20日日本経済新聞朝刊より) 『誕生して間もない明治国家は、西洋から…

忠恕(まごころからの思いやり)

「忠恕」は一般的に 「まごころと思いやり」 と解釈される。 これを 仮名論語の著者・伊與田覺先生は 「まごころからの思いやり」 と解釈する (「論語に生き論語を活かす」17頁)。 私は伊與田先生の解釈を 採用している。 理由は2つ。 ①「まごころと思…

君子と小人、人格と能力

(前回からの続き) 実際孔子先生は、 「君子」と「器」を使って 次のように弟子を評価した。 子、子賤(しせん)を言う、君子なるかな、若(かくのごと)き人。魯(ろ)に君子者無くんば、斯(こ)れ焉(いず)くにか斯(これ)を取らん。 子貢問うて曰わく…

今日は孔子の誕生日

今日9月28日は孔子先生の誕生日とされる日。 台湾台北の孔子廟では孔子生誕祭が催され、 孔子先生から数えて79代目孔家当主・孔垂長先生が奉祀官を務める。 いつか行ってみたいと思う。 台北市政府観光局イベント情報 子曰わく、我を知ること莫(な)きか…

孔子は真心を大事にされた

孔子先生は真心を大事にされたのである。 子、四を以て教う。文、行、忠、信。(述而第七・仮名論語90頁) 孔子先生は、次の四つの目的をもって教えられた。 ①読書②実践③誠実④信義。 子曰わく、巧言令色、鮮なし仁。(学而第一・仮名論語2頁、陽貨第十七・…

稲穂は君子に似ている

実るほど 頭を垂れる 稲穂かな 子曰わく、君子は泰(ゆたか)にして驕(おご)らず、小人は驕りて泰ならず。(子路第十三・仮名論語198頁) 孔子先生が言われました。 「君子(立派な人)は、ゆたかでありながらも驕りたかぶったりしないものだ。小人は…

孔子のおもてなし

(前回からの続き) 孔子の「おもてなし」と言えるのではないだろうか? 当時、楽師は盲人であったという(金谷治訳注論語)。 おもてなしの心、学びたいと思う。 師冕(べん)見(まみ)ゆ。階に及べり。子曰わく、階なり。席に及べり。子曰わく、席なり。…

敬老の日に父母の歳計算す

明日は敬老の日ということで、 父と母が何歳になったか計算してみた。 子曰わく、父母の年は、知らざる可(べ)からざるなり。一は則(すなわ)ち以(もっ)て喜び、一は則ち以て懼(おそ)る。(里仁第四・仮名論語45頁) 孔子先生が言われました。 「父…

婚外子相続格差、違憲で良いのでは?

先日、 婚外子の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を 違憲とする最高裁判決が下された。 裁判官全員一致での違憲判決だったものの、 世論の間では合憲とする意見も根強く残っている。 私は違憲で良いと思う。 合憲と考える人たちはこの規定の趣旨を 「法…

聖人と君子は違う

聖人と君子は違う。 聖人は神の領域。 それに対し君子は あくまで人間の領域にとどまる。 子游曰わく、子夏の門人小子、洒掃応対進退に当たりては則ち可なり。抑末なり。之に本づくれば則ち無し。之を如何。子夏之を聞きて曰わく、噫、言游過てり。君子の道…

悠仁さま、お名前の由来

本日(9月6日)、 秋篠宮悠仁親王殿下が誕生日を迎えられました。 心よりお慶び申し上げます。 この日を記念しまして、 悠仁さまのお名前について 書かせて頂きたいと思います。 悠仁さまのお名前は 次の中庸の言葉に由来すると思われます。 故に至誠は息…

頭の良いだけの奴が上に多すぎる

頭の回転が速く口先の機転が利く。 それだけ。 こういう人が評価されて上に行く。 本当に困る。 或(ある)ひと曰わく、雍や、仁にして佞(ねい)ならず。子曰わく、焉(いずく)んぞ佞を用いん。人に禦(あた)るに口給(こうきゅう)を以(もっ)てすれば…

対戦相手に敬意を表す

対戦相手がいるからこそ スポーツができる。 対戦相手に敬意を表すのは このためだろう。 子曰わく、君子は争う所無し。必ずや射(しゃ)か。揖譲(ゆうじょう)して升(のぼ)り下り、而(しこう)して飲ましむ。其(そ)の争いや君子なり。(八佾第三・仮…

「ありがとう」の反対語

「ありがとう」を漢字にすると「有難う」。 「有難い」の反対語は「当たり前」となる。 有難いと思ったことを 当たり前と思うようになった時、 傲慢や狭量が始まるのだろう。 子曰わく、如(も)し周公(しゅうこう)の才(さい)の美(び)有りとも、驕(お…

人をどう評価するか?

(前回の続き) 子曰わく、君子は器(うつわ)ならず。(為政第二・仮名論語16頁) 孔子先生が言われました。 「君子は器ではない」 君子とは簡単に言えば人格者(君子はどんな人物か?)。 器とは能力。 人の評価は、 ただ能力とそれを駆使する人格によっ…

キング牧師と孔子

50年前の今日、 マーティン・ルーサー・キング牧師が次のように演説した。 『私には夢がある。 私の4人の小さな子どもたちが、いつの日か、 肌の色でなく人格の中身によって判断される国に住むことだ』 やはり、 人の評価というものは、 肌色はもちろん 出…

論語なんて読んでどうすんの?

かつてこんなことを言われた。 『論語なんて大昔の本を読んでどうなんの? 現実とか未来を見た方がいいんじゃない?』と。 こんなことを言う人に限り、 反面教師とする題材には事欠かない。 子曰わく、賢(けん)を見ては斉(ひと)しからんことを思い、不賢…