微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2013-01-01から1年間の記事一覧

「ならぬものはならぬ」が悲劇を生んだのでは?

会津藩の6~9歳の男児は 10人前後の「什」という組織で育てられていた。 什には掟があり(什の掟)、 「嘘をつかない」 「卑怯な振る舞いをしない」などが挙げられ、 最後には「ならぬものはならぬものです」と 締め括られている。 愚考するに、 「なら…

知仁勇の意味

「知」とは、「正しい判断」をいう(参照記事)。 知者は正しい判断ができるから迷わない。 「勇」とは、 その判断を恐れず実行する勇気をいう。 「仁」とは、 勇気を持って実行しつつも 仁(人の道)を忘れないことを意味する。 仁者はいつも心に仁があるか…

知は知識でなく判断力

「知」とは、 知識が豊富なことではない。 子曰わく、蓋し知らずして之を作る者有らん。我は是れ無きなり。多く聞きて、其の善き者を択びて是に従い、多く見て之を識すは、知るの次なり。(述而第七・仮名論語91頁) 孔子先生が言われました。 「あまり知…

君子とはどんな人物か?

君子は天命を知る人物であった。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/9492865.html 君子には天命の他にも 次の三つの徳が必要なようである。 子曰わく、君子の道なる者三つ、吾能くすること無し。仁者は憂えず、知者は惑わず、勇者は懼れず。(後略)(憲問…

知仁勇を行う基盤

次の言葉は 中庸全体を貫くテーマを 最もよく表していると思う。 誠は天の道なり。之を誠にするは、人の道なり。(第二十章・仮名中庸48頁) 誠は天の道である。その天の道を学んで誠になるのが人の道である。 そうである以上、 中庸のテーマは 「誠」と考…

中庸を貫くテーマ

次の言葉は 中庸全体を貫くテーマを 最もよく表していると思う。 誠は天の道なり。之を誠にするは、人の道なり。(第二十章・仮名中庸48頁) 誠は天の道である。その天の道を学んで誠になるのが人の道である。 中庸のテーマは、 「誠」と考えるべきと思う。…

敗戦、昭和天皇のお心には

マッカーサーは、その回想記に 昭和天皇との会見の模様を次のように記している。 「タバコに火をつけて差し上げたとき、私は天皇の手が震えているのに気がついた。天皇の語った言葉は、次のようなものだった」。 天皇は「私は、国民が戦争遂行するにあたっ…

繁盛する飲食店に共通するもの

看板となる一品があること。 それと明るく気持ちの良い接客することのように思う。 北軽井沢「ザンガラ」のキャベツステーキ↓ とろとろのキャベツに周りのソースをたっぷりかけて食します。 素晴らしいお店でした。 子貢、仁を為さんことを問う。子曰わく、…

赤ちゃんにも個性がある

乳幼児でさえも 一人一人個性がある。 そうするとやはり、 人間の個性・特性は 天から与えられたものと考えるのが 自然ではないだろうか? 天の命ずる之(これ)を性と言い、(中庸第一章・仮名中庸1頁) この個性・特性は 徳とも言い表される。 性は徳なり…

流されない人になる

膨大な量の情報や 目まぐるしい変化に 流されないように 心にしっかりとした拠り所を持つ。 2500年の歴史の風雪を耐え抜いた論語は 心の拠り所、判断の拠り所として間違いは無いと思う。 子曰わく、君子は博く文を学び、之(これ)を約するに礼を以(も…

検証不能な情報は信じない

出所不明な情報や検証不能な情報を信じてはならないと思う。 子曰わく、衆(しゅう)之(これ)を悪(にく)むも必ず察し、衆之を好むも必ず察す。(衛霊公第十五・仮名論語239頁) 孔子先生は言われました。 「多くの人が嫌っていても、必ず自分で観察し…

片付けないと貧乏になる

片付けができないと、 部屋が散らかる。 部屋が散らかると、 どこに何があるのか分からなくなる。 どこに何があるか分からなくなると、 重複して同じようなものを買ってしまう。 重複して同じようなものを買ってしまうことは、 無駄な出費。 無駄な出費が増…

唯我独尊を誤解していた…

「天上天下唯我独尊」は お釈迦様のお言葉。 「全世界で私一人が尊い」と 解釈するのは 完全に誤解だった。 正しくは、 「全世界の一人一人が尊い」 と解釈されるとのこと。 「我」は「私」でなく 「一人」という意味のようだ。 一人一人が尊いから 一人一人…

孔子の間違い(2/2)

前回からの続き 孔子先生が南子と会って、 何か間違いがあったのか無かったのか? 子路が不愉快に思ったのはそこではないと思う。 会うべきでない人と会ってしまった。 たとえ王妃とはいえ、 不品行な評判の高い人物に会ってしまったこと自体、 一本気な子路…

孔子の間違い(1/2)

前回からの続き 孔子先生にも間違いはあった。 子、南子を見る。子路説(よろこ)ばず。夫子(ふうし)之(これ)に矢(ちか)いて曰わく、予が否なる所の者は、天之を厭(う)たん、天之を厭たん。(雍也第六・仮名論語78頁) 孔子先生が南子に会われまし…

間違えないことが大切か?

人間なら誰だって間違いはある。 大切なのは間違えないことではなく、 ①すぐに修正すること。 子曰わく、過(あやま)ちて改めざる、是(これ)を過ちと言う。(衛霊公第十五・仮名論語239頁) 孔子先生が言われました。 「誤っているのに改めない。これ…

仕事増大+子ども風邪=

仕事が立て込んでいた。 子曰わく、富(とみ)と貴(たっとき)とは、是(こ)れ人の欲する所なり。其(そ)の道を以(もっ)て 之(これ)を得ざれば、処(お)らざるなり。貧(まずしき)と賤(いやしき)とは、是れ人の悪(にく)む所なり。其の道を以て…

楽な道と困難な道、選ぶべきは?

楽な道と困難な道、どちらに行くべきか? あえて困難な道を選ぶのが 仁(人の道)なのだと思う。 樊遅、知を問う。子曰わく、民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざく、知と言うべし。仁を問う。曰(のたま)わく、仁者は難(かた)きを先にして獲ることを後に…

子どもと論語を読む

幼少期に意味は分からなくても、 論語の代表的な章句を丸暗記することは、 その子の学習能力や思考能力を高める訓練になるばかりか、 人としての道を踏み外す可能性を極めて少なくできると思う。 子曰わく、学びて思わざれば則ち罔(くら)く、思うて学ばざ…

受験勉強は学問か?

合格と不合格は、 たった1点の差でも決まってしまう。 受験勉強は 合格するための勉強であり、 合格するための勉強は、 人に認めてもらうための勉強にすぎない。 人に認めてもらうための勉強は、 学問とは言えない。 子曰わく、古の学者は己の為にし、今の…

良き友はどんな人か?

「忠信(誠)を第一とし、自分と同じように忠信(誠)を第一と考えていない者を 友としてはならない」 子曰わく、(中略)忠信を主とし、己に如(し)かざる者を友とすること無かれ。(後略)(学而第一・仮名論語5頁) 「己に如(し)かざる者を 友とする…

己に如かざる者を友とすること無かれ(論語、学而第一⑧)

そのまま直訳して 「自分に及ばない者を 友とするな」 などと解釈しない方が良い。 子曰わく、(中略)己に如かざる者を友とすること無かれ。(後略)(学而第一・仮名論語5頁) 次の章句とも矛盾してしまう。 曽子曰わく、能を以て不能に問い、多を以て寡…

富士山の山頂は平和の象徴

世界遺産に登録されて初めての山開きが 昨日行われた。 ところで、 富士山の山頂部の持ち主は誰なのだろう? 江戸期の初めまで 駿河と甲斐の国が一歩も譲らず、 徳川家康の裁定によって浅間大社に与えられた。 明治維新で国の所有となったが 今度は国と浅間…

誠は人の道

仁とは人の道であった。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/9595518.html では人の道とは何だろうか? 子曰わく、予言うこと無からんと欲す。子貢曰わく、子如し言わずんば、則ち小子何をか述べん。子曰わく、天何をか言うや、四時行われ百物生ず。天何を…

キリストと孔子の説いたもの

自分がされたくないことは 他の人にもしない。 子貢問うて曰わく、一言にして以て身を終うるまで之を行うべき者有りや。子曰わく、其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ。(衛霊公第十五・仮名論語237頁) 弟子の子貢が尋ねました。 「生涯行って…

「仁」とは(日本人がよく孔子の教えを理解した証拠)

(前回「礼」は「仁」の形からの続き) (前回「君子はどんな人か?」からの続き) 論語の伝来は、 応神天皇の時代とされる(日本書紀・古事記)。 当時の日本人は、 たちまちに論語を理解したものと思われる。 仁が人(ひと)と訓読みされているからである…

「礼」は「仁」の形

(前回からの続き) 「礼」とは、 「仁を形にしたもの」と考えて良いと思う。 子曰わく、人にして仁ならずんば、礼を如何にせん。人にして仁ならずんば、楽を如何にせん。(八佾第三・仮名論語24頁) 孔子先生が言われました。 「人に仁の心が無ければ、何…

三歳児神話はどこから来た?

「3歳までは母親が子育てに専念すべきだ」 とする三歳児神話があるようだ。 この三歳児神話と孔子は一切関係ない。 母の懐ではなく、 父母の懐だからである。 (前略)子曰わく、予の不仁なるや。子生まれて三年然る後に父母の懐(ふところ)を免(まぬが)…

良い大学・良い会社に入ることが使命なのか

自殺者が全体では減少しているにもかかわらず、 若年層では自殺が増えているというニュースがあった。 進路の悩みや就職の失敗がその理由であるらしい。 人間という高度に知的な生命体に生を受けた以上、 人間一人一人には必ず天から使命を与えられている。 …

中庸は孔子の真意

中庸を書いたのは、孔子の孫・子思(しし)。 中庸は「孔子の真意を述べた」ものとされる。 このゆえに子思は「述聖」と称される。 孔子といえば、論語がある。 しかし、論語だけでは孔子の真意は分かりにくい。 なぜなら、論語は孔子の言葉を集めたものに過…