微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

三歳児神話はどこから来た?

「3歳までは母親が子育てに専念すべきだ」
とする三歳児神話があるようだ。
 
この三歳児神話と孔子は一切関係ない。

母の懐ではなく、
父母の懐だからである。
 
 
(前略)子曰わく、予の不仁なるや。子生まれて三年然る後に父母の懐(ふところ)を免(まぬが)る。夫(そ)れ三年の喪は天下の通喪なり。予や、三年の愛(そ)の父母に有るか。(陽貨第十七・仮名論語273頁)
弟子の宰我が「親が亡くなったときの喪の期間が三年というのは長すぎるから一年に短縮しよう」と言い出しました。
宰我が退出した後、孔子先生が言われました。
「予(宰我の名)は不仁だ。子どもは生まれて三年でようやく父母の懐を離れるのだよ。三年の喪は世の中の人が誰でもやっている共通の喪なのだ。予(宰我)も三年も父母の懐にいてその愛情を受けたはずなのに、忘れてしまったのだろうか。」
 

そもそも母親が一人で子どもの面倒を見ろというは酷。
三歳児神話が仁(人の道)であるはずはないと思う。