微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

イノベーションは技術革新と和訳されているが

イノベーションは 技術革新と和訳されているが、 本来の意味は 新しい価値の創造である。 イノベーションは 技術者だけでなく、 全ての人が担うものと言える。 顔淵仁を問う。子曰わく、己に克ちて礼に復るを仁と為す。一日己に克ちて礼に復れば、天下仁に帰…

良い料理人は素材の味を引き出し、

良い料理人は 素材の味を引き出す。 良い上司は 部下の持ち味を引き出す。 子曰わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。(顔淵第十二・仮名論語172頁) 孔子先生が言われました。 「君子は、人の美点(長所)を成就させ、人の悪い所…

なぜ仁者は憂えず、山を楽しむか?

仁に志す者は、 人事を尽くして天命を待つ。 だから仁者には 余計な心配が無く、 どっしりとした山を好む ということではないだろうか? 子曰わく、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。(子罕第九・仮名論語125頁) 孔子先生が言われました。 「…

青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う

青春とは 人生のある期間ではなく、 心の持ちかたを言う… 年を重ねただけで人は老いない… 米国の詩人サミュエル・ウルマンの「青春」(作山宗久訳)より。 孔子も年を重ねても 青春であったと思える。 葉公、孔子を子路に問う。子路対えず。子曰わく、女(な…

愚痴も文句も嫌みも言わない

自然はどんな状況にあっても ただ黙々と 次の季節の準備をする。 愚痴も文句も嫌みも言わない。 子曰わく、予言うこと無からんと欲す。子貢曰わく、子如し言わずんば、則ち小子何をか述べん。子曰わく、天何をか言うや、四時行われ百物生ず。天何をか言うや…

本当の赤ずきんちゃんは助からない

狼に食べられてしまった 赤ずきんちゃんは 猟師が狼のお腹を切り開いて 助けてくれる。 これが現代の赤ずきんちゃん。 だがこれはファンタジー。 原作の赤ずきんちゃんは 狼に食べられておしまい。 小さな女の子を一人で 歩かせてはならないという、 教訓の…

夢を追うのもいいが、その夢は…

夢を追うのもいいが、 その夢は使命に基づくもので あるべきだ。 (前略)故に易きに居りて以て命を俟ち、小人は険を行いて以て幸を徼む。(中庸第十四章・仮名中庸22頁) ゆえに(君子は)人が人として歩むべき平易な道を行き、あとは天命にその身を委ねる…

西郷南州翁遺訓

今日は西郷隆盛の命日。 戊辰戦争で東北諸藩とともに 新政府軍と戦った庄内藩。 降伏後、 厳しい処分が下されると 藩内の誰もが予想したが、 宿敵のはずの西郷は 寛大な措置を指示し、 軽い処分にとどまった。 感動した元藩士は、 鹿児島に西郷を訪ねた。 寝…

ご先祖様の数を数えてみる

父母は2人、 祖父母は4人、 曽祖父母は8人、 高祖父母は16人… 1代を25年として ご先祖様の数を計算していくと、 40代前・1000年前のご先祖様は なんと1兆人を超える。 この1兆人のうちの1人でも 欠けていたら 今の自分の存在は無い… 人は皆、計り知れない 無…

天は乗り越えられない試練は与えない

天は乗り越えられない 試練は与えない。 天が与えて下さった この試練には、 きっと何かの意味が あるに違いない… 伯牛、疾有り。子、之を問う。窓より其の手を執りて曰わく、之を亡ぼせり、命なるかな。斯の人にして而も斯の疾あるや。斯の人にして而も斯の…

置かれた場所で綺麗に咲く

タンポポは決して 不平不満を言わない。 たとえコンクリートの狭間でも 置かれた場所で 綺麗な花を咲かせる。 やがて綿毛となり 風に乗って天高く飛ぶ。 子曰わく、君子は上達し、小人は下達す。(憲問第十四・仮名論語214頁) 孔子先生が言われました。…

宗教は神様仏様への信仰ではない

宗教の宗という漢字は 本という意味。 なので宗教とは 基本の教えという意味になる。 何の基本かと言えば、 人間としての基本に他ならない。 つまり宗教とは本来は 神様仏様への信仰ではなく、 人間としての基本の教え なのである。 人間としての基本の教え…

勇は身の安全を保った上で行う

いくら仁だからとはいえ、 身の危険を顧みず 発揮されるのは 本当の勇ではないように思う。 身の安全はきちんと保った上で 発揮するのが 本当の勇ではないだろうか? (前回勇は仁を行う勇気) 宰我問うて曰わく、仁者は之に告げて、井に仁ありと曰うと雖も…

勇は仁を行う勇気

義は正義の義であり、 正しいことを示す。 人間にとって 何が正しいかと言えば、 それは仁であろう。 勇は仁を行う勇気だと思う。 子曰わく、(中略)義を見て為さざるは勇無きなり。(為政第二・仮名論語22頁) 孔子先生が言われました。 「正しいことだ…

会社にも使命

人に使命がある。 人の集まりである会社にも 使命があるに違いない。 天の命ずる之を性と言い、性に率う之を道と言い、道を修むる之を教えと言うなり。(中庸第一章・仮名中庸1頁) 天が命じたもの。これを性(個性・特性)という。その性にしたがい、それ…

正しい解釈を押しつけない

論語の正しい解釈はこれだ と決めつけて それを他人に押しつける。 果たして孔子は そんなつまらないことを 求めるだろうか? 論語の解釈や読み方は 時代に応じて あるいは読み手一人一人の 経験に応じて 百人百様あってよいのでは ないだろうか? 仁に反し…

人事を尽くして天命を待つ

人事を尽くして天命を待つ という言葉がある。 人間としてできる限りの 最善を尽くせているか? それだけを心配する。 最善を尽くして あとは天命に委ねる。 余計な心配をする必要は無い。 という意味になる。 子曰わく、君子は坦かに蕩蕩たり。小人は長えに…

知は仁を見分ける判断力

知とは 物事を本質から判断すること であった。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/10366596.html 人間の本質、 つまり人間の人間たる所以を 考えることは、 人間のあるべき道を 考えることであり、 人間のあるべき道は 仁である。 知とは 仁を見分ける判…

対照的な二つの投資案件

一つ目はとても良い ビジネスモデルだった。 投資に踏み切るのに 何の躊躇も無かった。 だがうまくいかなかった。 彼は調子の良いことばかり言い、 最後はどこかへ消えていった。 二つ目は ビジネスモデルとしては 難のあるものだった。 それでも 彼の熱意や…

金持ちになれるかどうかは…

富貴天在。 金持ちになれるかどうかは 天が決めることだろう。 司馬牛、憂えて曰わく、人は皆兄弟有り、我独り亡し。子夏曰わく、商之を聞く、死生命有り、富貴天に在り。君子は敬(つつし)みて失うこと無く、人と与(まじわ)るに恭しくして礼有らば、四海…

多種多様が新たな価値を生む

創意工夫による新たな価値は 自分一人で考えるより 多種多様な人たちが集まり 切磋琢磨する中で考えた方が 生み出されやすい。 (創意工夫による新たな価値) 子曰わく、吾嘗(かつ)て終日食わず、終夜寝ず、以て思う。益無し。学ぶに如かざるなり。(衛霊…

お客様から頂くお代は投資

お客様から頂くお代というものは モノやサービスを 提供したことに対する対価 と考えるよりむしろ、 昨日より今日、今日より明日、 さらにより善いモノやサービスを 提供していくための投資 と考えるべきなのかもしれない。 子曰わく、学は及ばざるが如くす…

朝に道を聞けば

仁とは人の道。 理想的な人間社会の姿でもある。 孔子先生は仁が実現すれば 死んでしまっても 構わないとまで思っていた。 天命とはそれほどまで懸命に 追い求めるものなのだろう。 子曰わく、朝に道を聞けば、夕に死すとも可なり。(里仁第四・仮名論語41…

悪いのは貧富の格差の固定

人間には個性があり、 能力も違うから 貧富の格差が生じるのは 仕方がない。 悪いのは 貧富の格差が固定され、 社会の新陳代謝が できなくなることだ。 子曰わく、性、相近きなり。習、相遠きなり。(陽貨第十七・仮名論語262頁) 孔子先生が言われました…

大きな家は要らん

あの世には何も持って行けない。 余計なものは溜め込まない。 小さな家で十分だ。 子曰わく、士にして居を懐(おも)うは以て士と為すに足らず。(憲問第十四・仮名論語201頁) 孔子先生が言われました。 「士という地位にありながら、家で安穏とすること…

論語、学而第一⑥

若者よ、と 孔子先生が若い弟子たちに 呼びかける形式となっている。 このような形式は 他に見られない。 孔子先生が若い人たちに 伝えたいことが 詰まっているように思う。 明治天皇の教育勅語と よく似ている。 孔子先生が 実践を重視していることが 良く…

できるだけ自然の中で遊ばせたい

室内の遊び場やテーマパークは 安全で楽しいが、 海や川、山、森など自然の中で 遊ばせることも大事だと思う。 自然の中にはやはり危険がある。 危険を意識させ 注意しながら遊ばせれば、 自然を畏敬する気持ちとか、 仲間を思いやる心などが育まれ、 人間性…