微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

#宗教

涅槃寂静と中庸

涅槃寂静はお釈迦様の教え。 煩悩を滅却した世界は 心静かな安らぎの境地という意味らしい。 孔子先生が到達した中庸も 同じような境地と思われる。 子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして…

日本人の宗教観と論語

日本人の宗教観は 信仰するより畏敬すると言われている。 次の和歌によく表れている。 心だに誠の道にかないなば 祈らずとても神や守らん 菅原道真 何事のおわしますかは知らねども かたじけなさに涙がこぼるる 西行法師 論語には次のようにある。 樊遅、知…

飽きるとは心が枯れる(穢れ)

飽きるとは 心が枯れること。 心が枯れることを 神道では穢れ(けがれ)というらしい。 心が枯れないようにするために いつも心を瑞々しく新鮮に保ちたい。 子張、政を問う。子曰わく、之に居りて倦むこと無く、之を行うに忠を以てす。(顔淵第十二・仮名論…

宗教は神様仏様への信仰ではない

宗教の宗という漢字は 本という意味。 なので宗教とは 基本の教えという意味になる。 何の基本かと言えば、 人間としての基本に他ならない。 つまり宗教とは本来は 神様仏様への信仰ではなく、 人間としての基本の教え なのである。 人間としての基本の教え…

中庸は神道と似ている

中庸は 孔子の孫にあたる子思が 「孔子の教えを著述したもの」 と言われる。 日本で自然発生した神道と よく似ている。 子曰わく、鬼神の徳たる、其れ盛なるかな。之を視れども見えず、之を聴けども聞こえず、物に体して遺す可からず。天下の人をして齊明盛…

唯我独尊を誤解していた…

「天上天下唯我独尊」は お釈迦様のお言葉。 「全世界で私一人が尊い」と 解釈するのは 完全に誤解だった。 正しくは、 「全世界の一人一人が尊い」 と解釈されるとのこと。 「我」は「私」でなく 「一人」という意味のようだ。 一人一人が尊いから 一人一人…

キリストと孔子の説いたもの

自分がされたくないことは 他の人にもしない。 子貢問うて曰わく、一言にして以て身を終うるまで之を行うべき者有りや。子曰わく、其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ。(衛霊公第十五・仮名論語237頁) 弟子の子貢が尋ねました。 「生涯行って…

論語は宗教?!

論語についてあまり知らない人は、 「論語は宗教なのか」という疑問を持っているように感じることがあります。 そんな質問をされたら、私は次のように答えることにしています。 「普通の意味では宗教ではないけれども、本当の意味で宗教だよ」と。 どういう…