微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

2016-01-01から1年間の記事一覧

礼、和と仁

礼とは和を調節するもの。 その和とは、家族が和やかに楽しむ様子。 各家族が和やかに楽しむ、 これこそが孔子が理想とした社会の姿、 すなわち仁なのではないだろうか? 有子曰わく、礼の和を用て貴しと為すは、先王の道も斯を美と為す。小大之に由れば、行…

AIは徳を積まない

人間には人間の道がある。 たとえAIが人間の知能を上回ろうとも、 AIが徳を積むことは無い。 大事なのは、AIを使う側の人間が徳を積むことだろう。 (前略)夫子憮然として曰わく、鳥獣は与に群を同じくすべからず。吾斯の人の徒と与に非ずして誰と与にかせ…

あらゆる組織はそこにいる人によって決まる

大は国家から小は家庭まで、 あらゆる組織は、 そこにいる人によって決まる。 子曰わく、人能く道を弘む。道人を弘むるに非ず。(衛霊公第十五・仮名論語239頁) 孔子先生が言われました。 「道を広めることができるのは人であって、道が勝手に広まってゆ…

人の振り見て我が振り直す

人の振り見て我が振り直す。 子曰わく、賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みるなり。(里仁第四・仮名論語44頁) 孔子先生が言われました。 「賢い人を見れば自分もそうなりたいと思い、賢くない人を見れば自分はどうか反省する」 …

少しだけ頑張る

毎日、少しだけ頑張る。 日々進化するために。 湯の盤の銘に曰わく、苟に日に新た日日に新たに、又日に新たならんと。(大学・仮名大学6頁) 殷王朝の初代・湯王が使っていた洗面器には、「本当に毎日、心を新鮮に保って、日々新(進)化することを心がける…

父在せば、其の志を観(論語、学而第一⑪)

そのまま現代語訳しても、よく分からない。 次の中庸の章句と合わせて読むべきと思う。 子曰わく、父在せば、其の志を観、父没すれば其の行を観る。三年父の道を改むる無きは、孝と言うべし。(学而第一・仮名論語6頁) 孔子先生が言われました。 「父の存…

言葉じゃなくて行動で示す

言葉じゃなくて行動で示す。 子曰わく、君子は言に訥にして、行に敏ならんと欲す。(里仁第四・仮名論語46頁) 孔子先生が言われました。 「君子は、口数を少なく、行動を機敏にしようと思うものだ」 子曰わく、剛毅木訥、仁に近し。(子路第十三・仮名論…

過ちは交友関係から生じる

過ちは交友関係から生じる。 交友関係に気を付ける。 子曰わく、人の過や、各々其の党に於てす。過を観て斯に仁を知る。(里仁第四・仮名論語40頁) 孔子先生が言われました。 「人の過ちは、その人の仲間内から生じるもの。過ちを観察して、その人が仁に…

堯は舜に譲り、舜は禹に譲った

最初に天子の位に即いたのは堯。 堯は舜にその位を譲った。 舜は禹にその位を譲った。 天子の位は譲ることができる。 堯曰わく、咨、爾舜、天の暦数、爾の躬に在り。允に其の中を執れ。四海困窮せば、天禄永く終えん。舜も亦以て禹に命ず。曰わく、予小子履…

木鐸はメッセンジャー

木鐸とは木製の舌のある金属製の鈴。 法令などを民に知らせる時に振り鳴らしたという。 分かり易く言えば、メッセンジャーだろうか。 孔子先生はメッセンジャーということになる。 儀の封人、見えんことを請う。曰わく、君子の斯に至るや、吾未だ嘗て見える…

忠信を主とし(論語、学而第一⑧)

忠信を主とするのは、君子の大道を得るがためである。 子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。(学而第一・仮名論語4頁) 孔子先生が言われま…

障害者を障碍者に戻すべき

漢字簡略化のため、 障碍者の碍に害が充てられてしまった。 碍は「さえぎる」という意味で、 害という意味は無い。 障碍者は決して害悪ではない。 誰しも必ず障碍は持っている。 障碍も一つの個性ではないのか? まずは障害者を障碍者に戻すことから始めるべ…

学べば則ち固ならず(論語、学而第一⑧)

謙虚に学べば、頑固でなくなる。 たとえ頑固であっても、不遜よりは良い。 子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。(学而第一・仮名論語4頁) …

君子には威厳が必要

君子には威厳が必要。 ただし、猛々しいことと勘違いしないよう気をつける。 子曰わく、君子、重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし己に如かざる者を友とする無かれ。過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。(学而第一・仮名論語4頁) …

食事中、テレビを消すことにした

1年ほど前から、食事中、テレビを消すことにした。 よく味わって食べるため、 天地のお恵みや万人の苦労に思いを馳せるためである。 子曰わく、仁遠からんや。我仁を欲すれば、斯に仁至る。(述而第七・仮名論語92頁) 孔子先生が言われました。 「仁は決…

愛の反対は憎しみでなく

愛の反対は憎しみでなく無関心(マザー・テレサの言葉)。 人への無関心すなわち 相手を知らないということは 仁愛に悖る憂うべきことなのである。 子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁) 孔子先生は…

正しさは人に求めない

君子は自分を正しくするだけで、その正しさを人に求めない。 上位に在りて下を陵がず、下位に在りて上を援かず、己を正しくして人に求めざれば則ち怨み無し。上天を怨みず、下人を尤めず。故に易きに居りて以て命を俟ち、小人は険を行いて以て幸を徼む。(中…

言葉には言霊がある

言葉には言霊がある。 善いことを言えば善いことを招き、 悪いことを言えば悪いことが招く。 故に君子は言葉を選ぶのである。 是の故に言悖りて出ずる者は、亦悖りて入る。貨悖りて入る者は、亦悖りて出ず。(大学・仮名大学28頁) この故に、道理に背いた…

人物は公私を分ける

舛添都知事は 税金が使われる政治資金を 家族の宿泊費や飲食費に充て、 公用車を自身の別荘への行き来に使っていたという。 公私の区別があまりに杜撰。 人物とは言えまい。 子游武城の宰たり。子曰わく、女、人を得たりや。曰わく、澹台滅明なる者あり。行…

命には宿命、運命、天命(使命)がある

命には宿命、運命、天命(使命)がある。 宿命は変えられないが、運命は変えられる。 与えられた宿命のもと、最善を尽くす。 最善を尽くしていれば、必ず天命(使命)が見つかる。 天命(使命)が見つかれば、運命は必ず好転する。 孔子曰わく、命を知らざれ…

行いて余力あれば、則ち以て文を学べ(論語、学而第一⑥)

文とは文書すなわち書物のこと。 書物に学ぶのは、 仁を磨くため、君子の道を行うためである。 子曰わく、弟子、入りては則ち孝、出でては則ち弟、謹みて信、汎く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば、則ち以て文を学べ。(学而第一・仮名論語3頁) 孔…

謹みて信(論語、学而第一⑥)

「謹」を「慎」として解釈する。 すると、 大学や中庸にある 「君子は独りを慎む」と 合わせて読むことができる。 子曰わく、弟子、入りては則ち孝、出でては則ち弟、謹みて信、汎く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば、則ち以て文を学べ。(学而第一・…

自粛は最善か?

熊本地震の一日も早い収束と、 被災された方々が平穏な暮らしを 取り戻せるよう心底祈願する。 募金する。 あとは普段通り 自分の置かれた立場で最善を尽くす。 被災された方が身近にいなければ、 自粛する必要はないと思う。 子、喪ある者の側に食すれば、…

「民進」ではなく、「民親」の方が良かった

民主と維新がくっつけば、「民新」となるはず。 「新民」は大学三綱領の「親民」を朱子が読み替えたもの。 「民に親しむ」という同じ目線から 「民を新たにする」という上から目線になってしまった。 このことを考えれば、 「民進」ではなく、「民親」の方が…

会社勤めは道ではない

会社勤めには定年がある。 道に定年はない。 会社に勤めることそれ自体が道なのではない。 天の命ずる之を性と言い、性に率う之を道と言い、道を修むる之を教えと言うなり。 道なる者は、須臾も離る可からざるなり。離る可きは道に非ざるなり。(中庸第一章…

色も寡なく

孔子先生の教えは禁欲ではなく寡欲。 色欲をパートナー以外に求めるのは寡欲を越えて強欲だと私は思う。 孔子曰わく、君子に三戒有り。少き時は血気未だ定まらず、之を戒むること色に在り。其の壮んなるに及んで血気方に剛なり、之を戒むること闘いに在り。…

君子の人の使い方、小人の人の使い方

君子は人の器に応じた使い方をする。 小人は備わっていないことまで求める。 子曰わく、君子は事え易くして説ばしめ難し。之を説ばしむるに道を以てせざれば説ばざるなり。其の人を使うに及びては之を器にす。小人は事え難くして説ばしめ易し。之を説ばしむ…

民を使うに(論語、学而第一⑤)

「民を使うに時を以てす」とある。 人を使う場合の心得として解釈する。 人を使うには、「慈」「礼」「義」といったものが必要とされる。 「時を以てす」も「慈」「礼」「義」に基づくものと考えられる。 子曰わく、千乗の国を道くに、事を敬して信、用を節…

礼の心は「和」と「譲」

礼において大切なのは、 「和」と「譲」の心である。 有子曰わく、礼の和を用て貴しと為すは、先王の道も斯を美と為す。小大之に由れば、行われざる所あり。和を知りて和すれども礼を以て之を節せざれば、亦行うべからざるなり。(学而第一・仮名論語7頁) …

人を愛し(論語、学而第一⑤)

「人を愛する」は仁である。 人から愛されることよりも 人を愛することの方が尊いのである。 子曰わく、千乗の国を道くに、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以てす。(学而第一・仮名論語3頁) 孔子先生が言われました。 「戦車千台(諸侯…