微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

行いて余力あれば、則ち以て文を学べ(論語、学而第一⑥)

文とは文書すなわち書物のこと。

仁を磨くため、君子の道を行うためである。


子曰わく、弟子、入りては則ち、出でては則ち謹みて信、汎く衆をしてに親しみ、行いて余力あれば、則ち以て文を学べ。(学而第一・仮名論語3頁)
孔子先生が言われました。
「若者よ。家では孝を行い、外では弟(目上に穏やかに従うこと)を行い、慎独を心がけて信用を得、広く人々を敬愛し、仁に志す人に親しむのだ。その上で余力あれば、書物に学ぶことだ」


曽子曰わく、君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔く。(顔淵第十二・仮名論語179頁)
曽先生が言いました。
「君子は、文をもって友と会し、友をもって仁を磨く助けとする」


子曰わく、文は吾猶人のごとくなること莫からんや。躬もて君子を行うことは、則ち吾未だ之を得ること有らざるなり。(述而第七・仮名論語94頁)
孔子先生が言われました。
「書物から学ぶのは、私も人並みにできるようだが、君子の道を行うことは、私にはまだ十分にできない」