微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

礼、和と仁

礼とは和を調節するもの。

その和とは、家族が和やかに楽しむ様子。

各家族が和やかに楽しむ、
これこそが孔子が理想とした社会の姿、
すなわちなのではないだろうか?


有子曰わく、礼の和を用て貴しと為すは、先王の道も斯を美と為す。小大之に由れば、行われざる所あり。和を知りて和すれども礼を以て之を節せざれば、亦行うべからざるなり。(学而第一・仮名論語7頁)
有先生が言いました。
「礼において和を貴いとするのは、私一人の考えではない。古代の聖王たちもそれを美しいことと考えた。だからといって和だけに頼ると、うまく行かないことがある。和の貴いことを知って、和しても礼をもって調節しないと、うまく行かないのである」


詩に曰わく、妻子好合し、琴瑟を鼓するが如し。兄弟既に翕い、和楽して且つ耽しむ。爾の室家に宜しく、爾の妻帑を楽しましむと。子曰わく、父母は其れ順なるかと。(中庸第十五章・仮名中庸24頁)
詩経には、「妻子の仲が良く、まるで大琴と小琴がよく調和したかのようだ。兄弟もすでに仲良く、みな和やかに楽しんでいる。汝の家族の仲が程よく、汝の妻子を楽しませている」という言葉がある。
この言葉について、孔子先生は言われました。
「ご両親の心は安らかだろう」と。