微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

天子、諸侯、大夫、士

天子
諸侯
大夫(大臣)
士(陪臣・一般役人)


孔子曰わく、天下道有れば、則ち礼楽征伐、天子より出ず。天下道無ければ、則ち礼楽征伐諸侯より出ず。諸侯より出ずれば、蓋し十世にして失われざること希なり。大夫より出れば、五世にして失われざること希なり。陪臣国命を執れば、三世にして失われざること希なり。天下道有れば、則ち政大夫に在らず。天下道有れば、則ち庶人議せず。(季氏第十六・仮名論語249頁)
孔子先生が言われました。
「天下に道が有れば、文武の政令は天子から出る。天下に道が無ければ、文武の政令は諸侯から出る。諸侯から出れば、十代続くのはまれであろう。大臣から出れば、五代続くのはまれであろう。一般役人が国の政治を行えば、三代続くのはまれであろう。天下に道が有れば、大臣が政治を行うことはない。天下に道が有れば、民衆が政治を議論することはない」


子貢、仁を為さんことを問う。子曰わく、工、その事を善くせんと欲すれば、必ず先ず其の器を利くす。是の邦に居りては、其の大夫の賢なる者に事え、其の士の仁なる者を友とす。(衛霊公第十五・仮名論語232頁)
子貢が仁を行う方法を尋ねました。
孔子先生が答えられました。
「大工が良い仕事をするには、必ずまず道具を磨いて鋭くする。それと同じように、仁を行うには自分自身を磨かねばならない。国に仕えるにあたっては、大臣の賢なる者に仕え、一般役人の仁なる者を友にするのだよ」