微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

民を使うに(論語、学而第一⑤)

「民を使うに時を以てす」とある。

人を使う場合の心得として解釈する。

人を使うには、「慈」「礼」「義」といったものが必要とされる。

「時を以てす」も「慈」「礼」「義」に基づくものと考えられる。


子曰わく、千乗の国を道くに事を敬して用を節して人を愛し民を使うに時を以てす。(学而第一・仮名論語3頁)
孔子先生が言われました。
「戦車千台(諸侯)の国を統治するには、仕事に敬意をもって当たり民の信用を得、国費を節約して民を慈愛し、民を使役するのは農閑期を利用するよう心がける


慈は衆を使う所以なり。(大学・仮名大学18頁)
慈は、人々を使う本である


定公問う、君、臣を使い、臣、君に事うること、之を如何にせん。孔子対えて曰わく、君、臣を使うに礼を以てし、臣、君に事うるに忠を以てす。(八佾第三・仮名論語31頁)
定公が問いました。
「君が臣を使い、臣が君に事えるには、どうしたらよいか?」
孔子先生が答えて言われました。
君は臣を礼をもって使い、臣は君に忠をもって仕えるのがよろしいかと存じます」


子、子産を言う。君子の道四有り。其の己を行うや恭、其の上に事うるや敬、其の民を養うや恵、其の民を使うや義。(公冶長第五・仮名論語56頁)
孔子先生が、子産を評して言われました。
「君子(為政者)としての道は四つ。①自分の行いを恭しくし、②目上には敬意をもって仕え、③民を慈恵の念をもって養い、④道義をもって民を使うのである