微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

君子の人の使い方、小人の人の使い方

君子は人の器に応じた使い方をする。

小人は備わっていないことまで求める。


子曰わく、君子は事え易くして説ばしめ難し。之を説ばしむるに道を以てせざれば説ばざるなり。其の人を使うに及びては之を器にす。小人は事え難くして説ばしめ易し。之を説ばしむるに道を以てせずと雖も、説ぶなり。其の人を使うに及びては、備わらんことを求む。(子路第十三・仮名論語197頁)
孔子先生が言われました。
「君子に仕えるのは簡単だが、喜ばせるのは難しい。道に適った方法で仕えなければ、喜ばないからである。また君子は、人を使うときは、人の器に応じた使い方をするからである。小人に仕えるのは難しいが、喜ばせるのは簡単である。道に適わない方法で仕えても喜んでくれるからである。また小人は、人を使うときは、その人に備わっていないことまで求めるからである


周公、魯公に言いて曰わく、君子は其の親を施てず、大臣をして以いられざるを怨ましめず、故旧、大故無ければ、則ち棄てず。備わらんことを一人に求むる無かれ。(微子第十八・仮名論語289頁)
周公が魯公に言われました。
「君子は、親族を忘れず、重臣たちが重用されないからといって怨むことがないように配慮し、古なじみに大きな過ちが無ければ見捨てるようなことはしない。一人の人に何もかも備わることを求めてはならない