微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

間違えないことが大切か?

人間なら誰だって間違いはある。

大切なのは間違えないことではなく、
①すぐに修正すること。
 
 
子曰わく、過(あやま)ちて改めざる、是(これ)を過ちと言う。(衛霊公第十五・仮名論語239頁)
孔子先生が言われました。
「誤っているのに改めない。これが本当の誤りなのだよ」
 

②同じ間違えを繰り返さないこと。
 
 
哀公問う、弟子、誰か学を好むと為す。孔子(こた)えて曰わく、顔回なる者有り、学を好めり。怒りを遷(うつ)さず、(あやまち)を弍(ふた)たびせず。不幸短命にして死せり。今や則ち亡し。未だ学を好む者を聞かざるなり。(雍也第六・仮名論語66頁)
哀公(魯国の君主)が「弟子の中で本当に学を好む者は誰か」と尋ねられました。
孔子先生は答えられました。
顔回という者がおりました。彼は怒ったときでも、その怒りを関係のない者にまでうつすようなことはしませんでした。同じ過ちを繰り返すようなこともしませんでした。しかし、不幸にも若くして死んでしまい、もうこの世にはおりません。それからは、本当に学を好む者はいないようでございます」
 
 
③間違えを少なくしようと努めること。
 
 
蘧伯玉(きょはくぎょく)、人を孔子に使いせしむ。孔子之と坐(ざ)して、問うて曰わく、夫子何をか為す。対えて曰わく、夫子は其(そ)の過(あやまち)を寡(すく)なくせんと欲して、未だ能(あた)わざるなり。使者出ず。子曰わく、使いなるかな、使いなるかな。(憲問第十四・仮名論語215頁)
蘧伯玉(衛の国の大夫)が孔子先生のところへ使者を寄こしました。
孔子先生はこの使者と向かい合って座られ、「蘧先生は、どうしておられますか」と尋ねられました。
使者が答えました。
「蘧は、自分の過ちを少なくしようと思って努力しておりますが、未だ思うようにできないようでございます」
使者が帰ったあと、孔子先生が言われました。
「立派な使者だなぁ、立派な使者だなぁ」
 
 
ちなみに、孔子にもこんな間違いがあった。(つづく