2013-10-12 忠恕(まごころからの思いやり) 語句解説 #その他文学 「忠恕」は一般的に 「まごころと思いやり」 と解釈される。 これを 仮名論語の著者・伊與田覺先生は 「まごころからの思いやり」 と解釈する (「論語に生き論語を活かす」17頁)。 私は伊與田先生の解釈を 採用している。 理由は2つ。 ①「まごころと思いやり」では 「一貫」でなく 二貫になってしまうし、 ②まごころ込めることを重視する 他の章句とのバランスが 良くなるからである (関連記事:孔子は真心を大事にされた)。 子曰わく、参や、吾が道は一を以て之を貫く。曽子曰わく、唯。子出ず。門人問うて曰わく、何の謂ぞや。曽子曰わく、夫子の道は忠恕のみ。(里仁第四・仮名論語43頁) 孔子先生が曽先生に言われました。 「私の教えは、『一つ』のことで貫かれているのだよ」 曽先生はすかさず、「はい」とだけ答えました。 孔子先生が出てゆかれると、他の弟子が曽先生に問いかけました。 「『一つ』とはどういう意味でしょうか?」 曽先生は答えました。 「孔子先生の教えを貫くものは、忠恕(まごころから相手を思いやる気持ち)のみだよ」