微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

忠恕(まごころからの思いやり)

「忠恕」は一般的に
「まごころと思いやり」
と解釈される。
 
これを
仮名論語の著者・伊與田覺先生は
「まごころからの思いやり」
と解釈する
(「論語に生き論語を活かす」17頁)。
 
私は伊與田先生の解釈を
採用している。

理由は2つ。
①「まごころと思いやり」では
「一貫」でなく
二貫になってしまうし、
②まごころ込めることを重視する
他の章句とのバランスが
良くなるからである
(関連記事:孔子は真心を大事にされた)。
 
 
子曰わく、参や、吾が道はを以て之を貫く。曽子曰わく、唯。子出ず。門人問うて曰わく、何の謂ぞや。曽子曰わく、夫子の道は忠恕のみ。(里仁第四・仮名論語43頁)
孔子先生が曽先生に言われました。
「私の教えは、つ』のことで貫かれているのだよ」
曽先生はすかさず、「はい」とだけ答えました。
孔子先生が出てゆかれると、他の弟子が曽先生に問いかけました。
「『つ』とはどういう意味でしょうか?」
曽先生は答えました。
孔子先生の教えを貫くものは、忠恕(まごころから相手を思いやる気持ち)のみだよ」