微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

恒有る者

成功の道は信用を得ることである。
どんなに才能や手腕があっても、
平凡なことを忠実に実行できないような若者は、
将来の見込みはない。
阪急電鉄の創業者、小林一三の言葉)
 
 
子曰わく、聖人は吾(われ)得て之(これ)を見ず。君子者を見るを得ば、是(こ)れ可なり。子曰わく、善人は吾得て之を見ず。恒(つね)有る者を見るを得ば、是れ可なり。亡くして有りと為し、虚しくして盈(み)てりと為し、約(まず)しくして泰(ゆた)かなりと為す。難(かた)いかな、恒有ること。(述而第七・仮名論語90頁)
孔子先生が言われました。
「今の世に聖人を見ることはできなくても、君子を見ることができれば十分だ」
また言われました。
「今の世に善人を見ることはできなくても、恒のある者を見ることができれば十分だ。無いのにあるかのように見せかけ、空虚なのに充実しているかのように見せかけ、貧しいのに豊かのように見せかける者が多い。恒があるというのは、本当に難しいことだねぇ…」
 
 
恒有る者とは、
「平凡なことを忠実に実行する者」なのかもしれない。