微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

君子(論語、学而第一①)

君子とは立派な人物のこと。

論語の中で最も登場回数の多い単語である。

論語最大のテーマと言える。


子曰わく、学びて時に之を習う、亦ばしからずや。遠方より来る有り、亦しからずや。人知らずしてみず、亦君子ならずや。(学而第一・仮名論語1頁)
孔子先生が言われました。
「学んだことを時に応じて実践・習得する。なんと喜ばしいことではないか。同じ道を学ぶ友が遠方から来てくれる。なんと楽しいことではないか。自分のことを人に知られなくても、怨むことない。なんと立派な人物ではないか」


子曰わく、君子は周して比せず、小人は比して周せず。(為政第二・仮名論語17頁)
孔子先生が言われました。
「君子は、広く公平に人と交わり、ある特定の人と偏った交わりはしない。その反対に小人は、特定の人とばかり偏った交わりをし、広く公平に交わろうとはしない 」


子曰わく、君子は泰にして驕らず、小人は驕りて泰ならず。(子路第十三・仮名論語198頁)
孔子先生が言われました。
「君子は、ゆたかでありながらも驕りたかぶったりしない。小人は、驕りたかぶってゆたかではない」


孔子曰わく、君子に三畏有り。天命を畏れ、大人を畏れ、聖人の言を畏る。小人は天命を知らずして畏れず、大人に狎(な)れ、聖人の言を侮る。(季氏第十六・仮名論語254頁)
孔子先生が言われました。
「君子には畏れるものが三つある。天命を畏れ、大人(人格者)を畏れ、聖人の言葉を畏れる。小人はこれに反し、天命とは何か知らないので天命を畏れない。大人にはなれなれしく、聖人の言葉をあなどる」