微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

人知らずして(論語、学而第一①)

人からどう思われているか
気にするよりも、
天命・使命を自覚し
それを追い求めているかどうかを気にする。

論語を貫くテーマである。


子曰わく、学びて時に之を習う、亦ばしからずや。遠方より来る有り、亦しからずや。人知らずして慍みず、亦君子ならずや。(学而第一・仮名論語1頁)
孔子先生が言われました。
「学んだことを時に応じて実践・習得する。なんと喜ばしいことではないか。同じ道を学ぶ友が遠方から来てくれる。なんと楽しいことではないか。自分のことを人に知られなくても、怨むことない。なんと立派な人物ではないか」


子曰わく、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり。(学而第一・仮名論語10頁)
孔子先生は言われました。
 「人に認められないことを心配するのではない。自分が人を認めていないのではないか?と心配するのだ」


子曰わく、我を知ること莫きかな。子貢曰わく、何為れぞ其れ子を知ること莫からんや。子曰わく、天を怨みず、人を尤めず、下学して上達す。我を知る者は其れ天か。(憲問第十四・仮名論語219頁)
孔子先生が「私を認めてくれる人がいない…」と漏らされました。
子貢が驚いて言いました。
「先生のような方が認められないことなどございましょうか?」
孔子先生が言われました。
「認められないとはいえ、私は天を怨んだり人をとがめたりはしない。私は身近なところから学び、だんだんと深い学問・真理に通じてきた。私のことを本当に認めてくれるのは、天であろうか?」