微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

楽(論語、学而第一①)

お金で買える楽しみは
本当の楽しみではない。

やるからには楽しんでやる。

論語を貫くテーマである。


子曰わく、学びて時に之を習う、亦ばしからずや。遠方より来る有り、亦楽しからずや。人知らずして慍みず、亦君子ならずや。(学而第一・仮名論語1頁)
孔子先生が言われました。
「学んだことを時に応じて実践・習得する。なんと喜ばしいことではないか。同じ道を学ぶ友が遠方から来てくれる。なんと楽しいことではないか。自分のことを人に知られなくても、怨むことない。なんと立派な人物ではないか」


子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。(雍也第六・仮名論語74頁)
孔子先生は言われました。
「物事を知っているからと言って取り組む者は、これを好んで取り組む者には到底及ばない。だからといって、それを好んで取り組む者でも、それを楽しんで取り組む者には到底及ばない」


子曰わく、疎食を飯い水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみも亦其の中に在り。不義にして富み且つ貴きは我に於いて浮雲の如し。(述而第七・仮名論語86頁)
孔子先生が言われました。
「粗末な食事をし、冷水を飲み、ひじを枕として寝るような貧乏生活の中にも楽しみはある。不義を行って財産や地位を得ても、私には雲のようなものだ」


孔子曰わく、益者三楽、損者三楽。礼楽を節せんことを楽しみ、人の善を道(い)うことを楽しみ、賢友多きを楽しむは、益なり。驕楽を楽しみ、佚遊を楽しみ、宴楽を楽しむは、損なり。(季氏第十六・仮名論語252頁)
孔子先生が言われました。
「有益な楽しみは3つある。有害な楽しみも3つある。礼楽を楽しみ、人の善い所を言うことを楽しみ、賢友が多いのを楽しむのが有益な楽しみだ。わがまま勝手を楽しみ、怠けて遊びほうけるのを楽しみ、酒盛りにふけるのを楽しむのが有害な3つの楽しみだ」