微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

口先より実践

前回みてきたように、
孔子先生は実践を重んじる。
 
口先だけよりも
実践であった。
  
 
子貢、君子を問う。子曰わく、先(ま)ず行う、其(そ)の言(ことば)は而(しか)る後に之(これ)に従う。(為政第二・仮名論語17頁)
弟子の子貢が君子について質問をしました。
孔子先生が言われました。
「まず実行する。言葉はその後だ」
 
 
子曰わく、論の篤(あつ)きに是(こ)れ与(くみ)せば、君子者(くんししゃ)か、色荘者(しきそうしゃ)か。(先進第十一・仮名論語151頁)
孔子先生が言われました。
「言ってることが熱心だからという理由だけで、その人と組むべきではない。言ってることが熱心というだけは、その人が本当の君子なのか、単にうわべだけのニセモノなのか、判断できないからである」
 
 
子曰わく、君子は言(ことば)に訥(とつ)にして、行(おこない)に敏(びん)ならんと欲す。(里仁第四・仮名論語46頁)
孔子先生が言われました。
「君子は、口下手でも、行動は機敏にしようと思うものだよ」
 
 
曽子曰わく、吾(われ)(ひ)に吾(わ)が身を三省す。人の為に謀(はか)りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。(学而第一・仮名論語2頁)
曽先生が言いました。
「私は、自分自身を何度も省みて、良くないところを省くようにしている。たとえば、人からの相談ごとに誠心誠意応対したかどうか、友だちに嘘や偽りを言わなかったかどうか、そしてまだ習得できていないことを人に教えてしまわなかったかどうか
 
 
子曰わく、君子は食(しょく)(あ)くを求むること無く、居(きょ)安きを求むること無し。事に敏にして言に慎み、有道(ゆうどう)に就(つ)きて正す。学を好むと言うべきのみ。(学而第一・仮名論語8頁)
孔子先生が言われました。
「君子は飽きるほどたくさん食べることを願わず、家で安穏とすることを願わない。機敏な行動や慎重な発言を心がけ、人としての道を志す者に従い自らを正す。このような人こそ、学を好むと言える」
 
 
さらに言えば、
実践の伴わない言葉は恥と考えていた。
つづく
 
 
平成26年2月25日修正)