微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

忠は君子や仁の要素

君子の要素でもある。


樊遅、仁を問う。子曰わく、居る處恭、事を執りて敬、人と與りて忠なるは、夷狄に之くと雖も棄つべからざるなり。(子路第十三・仮名論語193頁)
樊遅が仁について尋ねました。
孔子先生が答えられました。
「立ち居振る舞いが恭しく、仕事には敬意をもってあたり、人とは誠意をもって交わる。このような行いが仁である。たとえ野蛮な地へ行ったとしても、忘れてはならない」


子曰わく、君子に九思有り。視るには明を思い、聴くには聡を思い、色には温を思い、貌には恭を思い、言には忠を思い、事には敬を思い、疑わしきには問を思い、忿には難を思い、得るを見ては義を思う。(季氏第十六・仮名論語255頁)
孔子先生が言われました。
「君子には常に心に九つの思いがある。①ものを見るには明らかに見たいと思い、②ものを聴くには聡明にありたいと思い、③顔色は温和でありたいと思い、④容貌は恭しくありたいと思い、⑤言葉には「忠」(真心)を思い、⑥仕事には敬意をもって当たることを思い、⑦疑わしいことには質問することを思い、⑧怒りが生じたときには感情的にまき散らすことによる難儀を思い、⑨利得を前にしたときはそれが義にかなっているかを思う」