微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

忠(論語、学而第一④)

忠は「中+心」。

真ん中の心であり、
真心であり、
嘘・偽り無き誠の心である。

孝や慈と組み合わされる。

決して、服従という意味ではないのである。


曽子曰わく、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。(学而第一・仮名論語2頁)
曽先生が言いました。
「私は、自分自身を何度も省みて、不善を省くようにしている。たとえば、人からの相談ごとに誠心誠意応対したかどうか、友だちに嘘や偽りを言わなかったかどうか、そしてまだ習得できていないことを人に教えてしまわなかったかどうか」


季康子問う、民をして敬忠にして以て勧ましむるには、之を如何にせん。子曰わく、之に臨むに荘を以てすれば則ち敬す。孝慈なれば則ち忠あり。善を挙げて不能を教うれば則ち勧む。(為政第二・仮名論語20頁)
季康子が問いました。
「民が敬意と誠意をもって仕事に励むようにするには、どうしたら良いか?」
孔子先生が言われました。
「民に荘厳な態度で臨めば、民は敬意をもちます。父母に孝を尽くし、子供を慈しめば誠意をもちます。善き行いをする者を不能な者の上に立たせて道を教えれば、仕事に励むようになります」