微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

謹賀新年(平成28年・申年)

旧年中のご交誼に
厚く御礼申し上げますとともに
本年も変わらぬご批判賜りたく
何卒宜しくお願い申し上げます。


顔淵仁を問う。子曰わく、己に克ちて礼に復るを仁と為す。一日己に克ちて礼に復れば、天下仁に帰す。仁を為すは己に由る。而して人に由らんや。顔淵曰わく、請う、其の目を問わん。子曰わく、礼に非ざれば視ること勿れ、礼に非ざれば聴くこと勿れ、礼に非ざれば言うこと勿れ、礼に非ざれば動くこと勿れ。顔淵曰わく、回、不敏なりと雖も、請う、斯の語を事とせん。(顔淵第十二・仮名論語161頁)
弟子の顔淵が仁について尋ねました。
孔子先生が答えられました。
「自分自身に打ち勝って、礼に返ることも仁なのだよ。たとえ一日でも自分自身に打ち勝って礼に返ることができれば、やがて世の中に仁が行き渡るようになる。仁を行うのは、自分自身の意思次第で、他人事ではないのだ」
顔淵がさらに尋ねました。
「それでは、仁を実践する方法をお教え下さい」
孔子先生が答えられました。
「礼に外れたことは視ないように、礼に外れたことは聴かないように、礼に外れたことは言わないように、礼に外れたことは行わないようにすることだ」
顔淵は言いました。
「回(顔淵の名)は誠に至らぬ者ではございますが、今お教え下さいましたお言葉を大事にしたいと思います」


湯の盤の銘に曰わく、苟に日に新た日日に新たに、又日に新たならんと。(大学・仮名大学6頁)
殷王朝の初代・湯王が使っていた洗面器には、「本当に毎日、心を新鮮に保って日々新(進)化することを心がける。そしてまた次の日も新鮮・新化を心がける」という言葉が刻まれていた。