微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

40の顔に責任を持て

「40の顔に責任を持て」とは
リンカーン元米国大統領の言葉という。

論語にも似たような言葉がある。


子曰わく、年四十にして悪まるるは、其れ終わらんのみ。(陽貨第十七・仮名論語278頁)
孔子先生が言われました。
「四十にもなって憎まれるような者は、終わりだろうね」


かなり厳しい言葉のようにも思える。

だが君子は、
自分の顔色を温和にすることを心がけねばならない。


子曰わく、君子に九思有り。視るには明を思い、聴くには聡を思い、色には温を思い、貌には恭を思い、言には忠を思い、事には敬を思い、疑わしきには問を思い、忿には難を思い、得るを見ては義を思う。(季氏第十六・仮名論語255頁)
孔子先生が言われました。
「君子には常に心に九つの思いがある。①ものを見るには明らかに見たいと思い、②ものを聴くには聡明にありたいと思い、③顔色は温和でありたいと思い、④容貌は恭しくありたいと思い、⑤発言には「忠」(心を込めること)を思い、⑥仕事には敬意をもって当たることを思い、⑦疑わしいことには質問することを思い、⑧怒りが生じたときには感情的にまき散らすことによる難儀を思い、⑨利得を前にしたときはそれが義にかなっているかを思う」


渦中のデザイナーは43歳。

疑惑を追及されていたとは言え、
あんなに怖い顔では
憎まれるのもやむを得ない気がする。