論語には
「酒は量無く乱に及ばず」という言葉がある。
「乱れさえしなければ
酒を大量に飲んで良い」
との解釈も可能であるが、
この解釈には賛成しない。
酒は特別な場合に限って飲むもの。
似たような章句で「喪」が同時に使われているからである。
子曰わく、出でては則ち公卿に事え、入りては則ち父兄に事う。喪の事は敢て勉めずんばあらず。酒の困(みだ)れを為さず、何か我に有らんや。(子罕第九・仮名論語119頁)
孔子先生が言われました。
「家外では上位の者によく仕え、家中では父兄によく仕える。葬儀の事は全力で務める。酒を飲んでも乱れない。その他に私に何が有るだろうか?」
特別な場合に限るから
大量に飲んでも良いのである。
また特別な場合に限るから
乱れてはならないのである。
さらにまた特別な場合に限るから
わざわざ買ってまで飲む必要が無いのである。