微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

禁欲でなく寡欲

禁欲でなく寡欲である。

つまらん欲求は最小限に留めたい。


子曰わく、吾未だ剛なる者を見ず。或ひと対えて曰わく、申棖と。子曰わく、棖や慾あり。焉んぞ剛なるを得ん。(公冶長第五・仮名論語54頁)
孔子先生が言われました。
「私はまだ、剛(芯の強い人)なる者を見たことがない」
ある人がこれに対して言いました。
「申棖(孔子の弟子)がいるではないですか?」
孔子先生が言われました。
「棖は欲深い。どうして剛なる者と言えようか?」


子曰わく、吾未だ徳を好むこと、色を好むが如くする者を見ざるなり。(子罕第九・仮名論語120頁)
孔子先生が言われました。
「私はまだ女性の美しさを好むほど、徳を好む者を見たことが無い」


子曰わく、君子は食飽くを求むること無く、居安きを求むること無し。事に敏にして言に慎み、有道に就きて正す。学を好むと言うべきのみ。(学而第一・仮名論語8頁)
孔子先生が言われました。
「君子は飽きるほどたくさん食べることを願わず、家で安逸な日々を過ごすことを願わない。機敏な行動や慎重な発言を心がけ、人としての道(仁)を志す者に従い自らを正す。このような人こそ、学問好きと言える」