微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

妹の結婚式で泣いたのではない

妹の結婚式があった。
 
妹は父との関係が良いとは言えない。
 
妹と父は結局、
ヴァージンロードを一緒に歩かなかった。
 
だが、披露宴の最後、
新婦の手紙には、
父の愛情を感じられるエピソードや
父への感謝の気持ちが綴られていた。
 
私と母、特に母が
父と妹との関係を取りもつため
苦心した日々が思い出された。
 
私は思わずハンカチで目を押さえた。
 
妻は笑って言った。
「妹の結婚式で泣くお兄ちゃんなんて見たことないよ」と。
 
だが、私は別に泣いていたのではない。
 
コンタクトが乾いただけなのだ。
 
妹よ、
末永くお幸せに。
 
 
子曰わく、孟之反、伐らず。奔りて殿す。将に門に入らんとして、其の馬に策ちて曰わく、敢えて後るるに非ざるなり。馬進まざるなり。(雍也第六・仮名論語72頁)
孔子先生が言われました。
「孟之反(魯国の大夫)は、功績を誇らない人だ。戦から退却する時、殿(しんがり)を務めて敵の追撃からよく味方を守った。そして、ようやく自国の城門までたどり着いた時、自分の乗っていた馬にムチを打ってこんなこと言ったのだよ。『私はあえて殿(しんがり)を務めたのではない。馬が進まなかっただけなのだ』」