微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

人を人として扱うなら

人を人として扱うなら
敬意をもって指導すべきだ。
 
人を追い込み、
人の心を傷つけるような
やり方をする指導者は
指導者として無能であると
白状しているようなものだ。
 
 
子路、君子を問う。子曰わく、己を修めて以て敬す。曰(い)わく、斯くの如きのみか。曰(のたま)わく、己を修めて以て人を安んず。曰(い)わく、斯くの如きのみか。曰(のたま)わく、己を修めて以て百姓を安んず。己を修めて以て百姓を安んずるは、堯・舜も其れ猶諸を病めり。(憲問第十四・仮名論語224頁)
子路が「君子とはどういう人物でしょうか?」と尋ねました。
孔子先生は、「自分の修養に励んで、人を敬することができる人物だ」と答えられました。
子路は更に、「それだけでしょうか?」と尋ねました。
孔子先生は、「自分の修養に励んで、人を安らかにすることができる人物だ」と答えられました。
子路はまた更に、「それだけでしょうか?」と尋ねました。
孔子先生は、「自分の修養に励み、広く天下の人々を安らかにすることができる人物だ。ただこれは、堯や舜といった聖天子でさえも、お悩みになったことだ」と答えられました。
 
 
 
子曰わく、君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。(顔淵第十二・仮名論語172頁)
孔子先生が言われました。
「君子は、人の美点(長所)を成就させ、人の悪い所(短所)は抑えようとする。小人は、これとは反対のことをする」