微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

法律関係より信頼関係

契約など法律関係は
万が一の時のための備え。
 
普段大切なのは、
この会社なら、この人なら、
非道いことはしまいという
信頼関係。
 
大切にすべきは
法律関係よりも
信頼関係だろう。
 
 
子曰わく、之を道くに政を以てし、之を斉うるに刑を以てすれば、民免れて恥ずること無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥ずる有りて且つ格し。(為政第二・仮名論語11頁)
孔子先生が言われました。
「国を治めるのに政令や法律に頼り、これを統制するのに刑罰を厳しくするのであれば、民は要領よく免れて何ら恥じることがなくなる。国を治めるのに道徳を基本とし、これを統制するのに礼によれば、民は自分の過ちを恥じるようになり、そして自ら正していくようになる」
 
 
子曰わく、人にして信無くんば、其の可なるを知らざるなり。大車無く、小車無くんば、其れ何を以て之を行らんや。(為政第二・仮名論語21頁)
孔子先生が言われました。
「『信』が無いような人を認めることはできない。『信』が無いということは、牛馬と車体をつなぐ部品の無い牛車・馬車と同じこと。それでどうやって車を進めろというのか?」
 
 
子夏曰わく、君子、信ぜられて而して後に其の民を労す。未だ信ぜられざれば則ち以て己を厲ましむと為す。信ぜられて而して後に諫む。未だ信ぜられざれば則ち以て己を謗ると為す。(子夏第十九・仮名論語295頁)
弟子の子夏が言いました。
「上司が部下を働かせるには、部下から信頼されてからにした方が良い。まだ信頼されていないのに働かせてしまうと、部下は嫌がらせを受けていると感じてしまうだろう。部下が上司を諫めるのは、上司から信頼されてからにした方が良い。まだ信頼されてもいないのに諫めると、上司は誹謗されたと感じてしまうだろう」