微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

つまずいて転びそうになる時でも

君子は仁を去りて悪(いず)くにか名を成さん。
君子は食を終るの間も、仁に違うこと無く、
造次(ぞうじ)にも必ず是に於いてし、
顚沛(てんぱい)にも必ず是に於いてす。(里仁第四・仮名論語39頁)
君子は、仁の道から離れてどこで有徳で立派な方だと称えられようか。
君子は、食事をする時も心は仁から離れず、
あわただしいときも必ず心は仁にあり、
つまずいて転びそうになる時でも仁から心が離れることはないのです。

私は、忙しいという言葉はあまり好きではありません。
忙しいという漢字は、「心を亡くす」と書きます。
自分から忙しいということをアピールする人が多くいますが、
それは心を亡くしてますということをアピールしているのと同じことになります。
この論語の一文のように、どんなあわただしいときでも、
必ず心は亡くさないように努めてゆきたいと思います。