微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

これも立派な被災地支援

今朝の日経の文化欄に「震災・原発事故どう伝えたか テレビ界、検証始まる」と題する記事がありました。一部抜粋します。

『災害発生から9カ月。被災地のテレビ局と在京局、あるいは被災した地域の間で、震災報道に温度差が生じ始めている。岩手、宮城、福島の放送局の報道関係者らが集まり、仙台市で今月3日に開いたシンポジウム「被災地のメディアとして」(「地方の時代」映像祭主催)でも、その課題が話し合われた。
 テレビ岩手の遠藤隆報道制作局次長は、津波に襲われなかった県内陸部の人々の震災への関心が「薄れてきた」と報告。盛岡市で調べる視聴率データの推移を例に挙げ「被災地を伝える番組は高い視聴率を維持してきたが、最近では、番組によっては明らかに(数字が)落ちる」と述べた。
 あるローカル局の幹部は「全国放送を仕切る東京の局から『震災の話題はいらない。視聴率が取れないから』と言われることが増えてきた」と漏らした。民放の場合、広告収入に直結する視聴率が低下すれば、報道を続けるのが難しくなる。
 NHK仙台放送局の鶴谷邦顕チーフプロデューサーは「被災地内外での温度差は今後さらに広がる」と予測する。「ニュースやドキュメンタリーだけでない、視聴者の関心を保つ番組づくりを工夫しなければ」と話した。
(中略)
 専修大学の藤森研教授(ジャーナリズム論)は「今回の震災では継続した報道がどうしても必要だ」と強調する。「生活苦など被災者の困難な状況は長く続き、支援を求めている。様々な教訓を掘り起こすことは将来起こり得る大災害の減災にもつながる」と話している。』
 
 
子曰わく、君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る。(里仁第四・仮名論語43頁)
孔子先生が言われました。
「君子は正しいことか否かで判断するが、小人は損得で判断するよ。」

 
震災にかかわる番組を視聴し、関心をもつこと。
これも立派な被災地支援になりそうです。
 
 
子曰わく、参や、吾が道は一を以て之を貫く。
曽子曰わく、唯。
子出ず。門人問うて曰わく、何の謂ぞや。
曽子曰わく、夫子の道は忠恕のみ。
(里仁第四・仮名論語43頁)
 孔子先生が最も若い弟子の一人、曽子先生におっしゃいました。
「私の教えは、一つのことで貫かれているのだよ。」
曽子先生はすかさず、「はい」とだけ答えました。
孔子先生が出てゆかれると、他の弟子が、曽子先生に問いかけました。
「『一つ』とはどういう意味でしょうか」
曽子先生は答えました。
孔子先生の教えは、忠恕(まごころから相手を思いやる気持ち)だよ。」