微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

瀬島龍三さんの指導

一昨日の日経の「私の履歴書」を読んで、大ヒントを得たような気分になりました。
こんなことが書いてありました。
 
『(旧日本軍の大本営参謀だった瀬島龍三さんが、戦後伊藤忠商事に入社。
その瀬島さんが部下に対し)日常業務で指導されたのは、
(1)報告書は必ず紙1枚にまとめる
(2)結論を先に示す
(3)要点は3点にまとめる
――の3点だ。3枚以上の報告書は絶対に受け取らず、突き返していた。
また「どんな複雑なことでも要点は3つにまとめられる」が口癖で、
我々に物事の本質を見極め、整理する習慣を身につけさせた。』
 
これがどんなヒントになるかというと、
論語の中に、こんな章句があります。
 
子曰わく、辞は達するのみ。(衛霊公第十五、仮名論語244頁)
孔子先生が言われました。
「言葉や文章は、相手がすらすらと理解してもらえさえすれば良いのだよ」
 
この章句は、文章が短い論語の中でも特に短いので覚えるのは簡単なのですが、
これを実行するのはもの凄く難しいです。
 
上で引用した瀬島さんの指導は、
「辞は達するのみ」を実践するための一つの具体例になると思います。
非常に難しいことには変わりませんが、心がけてゆきたいと思いました。