微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

孔子も知識偏重を戒めた

孔子も知識偏重を戒めた。


子曰わく、知は之に及べども仁之を守ること能わざれば、之を得ると雖も必ず之を失う。知は之に及び仁能く之を守れども、荘以て之に臨まざれば、則ち民敬せず。知は之に及び仁能く之を守り、荘以て之に臨めども、之を動かすに礼を以てせざれば、未だ善からざるなり。(衛霊公第十五・仮名論語241頁)
孔子先生が言われました。
「知識は十分でも、仁を守れなければ、地位を得たとしても必ず失ってしまうだろう。知識も十分で、仁を守ったとしても、気高く臨まなければ、多くの人は尊敬しないであろう。知識も十分で、仁を守り、気高く臨んだとしても、礼をもって行わなければ、まだ善しとすることは出来ない」


子曰わく、蓋し知らずして之を作る者有らん。我は是れ無きなり。多く聞きて、其の善き者を択びて是に従い、多く見て之を識すは、知るの次なり。(述而第七・仮名論語91頁)
孔子先生が言われました。
「あまり知らないのに書物を作る者もいるだろう。私はそのようなことはしない。多く聞いてその中から良いものを選んでそれに従い、多く見てそれを知識とするのは、本当に知ることの次である」