微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

今年は戌年

犬は文飾と実質とバランスを説いた章句に登場する。

文飾と実質のバランスは文質彬彬。

戌年である今年は、文質彬彬を心掛けたい。


棘子成曰わく、君子は質のみ。何ぞ文を以て為さん。子貢曰わく、惜しいかな、夫子の君子を説くや。駟も舌に及ばず。文は猶質のごとく、質は猶文のごときなり。虎豹の鞹は猶羊の鞹のごときなり。(顔淵第十二・仮名論語167頁)
棘子成(衛国の大夫)が言いました。
「君子は実質が充実していれさえすればよい。どうして文飾する必要があろうか?」
子貢が言いました。
「惜しいですね、あなたの君子に対する認識は。四頭立ての馬車も舌には及びません(失言の訂正は容易ではありません)。文飾は実質のようであり、実質は文飾のようであり、決して別物ではありあせん。虎や豹の皮が高価なのは、虎や豹の毛が付いているからです。もし虎や豹の皮に虎や豹の毛が付いていなければ、や羊の皮と同じような物になってしまいます」


子曰わく、質、文に勝てば則ち野。文、質に勝てば則ち史。文質彬彬として然る後に君子なり。(雍也第六・仮名論語74頁)
孔子先生が言われました。
「実質が文飾に勝てば野人のよう。文飾が実質に勝てば記録係のよう。文飾と実質が見事に調和して、はじめて君子と言える」