微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

三省は恕のために(論語、学而第一④)

反省だけなら猿でもできるという。
 
反省だけなら
人の道(仁)ではない。
 
人間は反省するだけでなく
省かねばならない。
 
善くないことを
省かねばらなない。
 
何度も何度も自分を省みて
善くないことを省いて省いて
私心の無い澄み切った心を
私は持ちたい。
 
私心の無い
澄み切った心になって初めて
真に相手の立場に立って
物事を考える(恕する)ことが
できると考えるからである。
 
 
曽子曰わく、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。(学而第一・仮名論語2頁)
曽先生が言いました。
「私は、自分自身を何度も省みて、善くないところを省くようにしている。たとえば、人からの相談ごとに誠心誠意応対したかどうか、友だちに嘘や偽りを言わなかったかどうか、そしてまだ習得できていないことを人に教えてしまわなかったかどうか
 
 
子曰わく、参や、吾が道はを以て之を貫く。曽子曰わく、唯。子出ず。門人問うて曰わく、何の謂ぞや。曽子曰わく、夫子の道は忠恕のみ。(里仁第四・仮名論語43頁)
孔子先生が曽先生に言われました。
「私の教えは、つ』のことで貫かれているのだよ」
曽先生はすかさず、「はい」とだけ答えました。
孔子先生が出てゆかれると、他の弟子が曽先生に問いかけました。
「『つ』とはどういう意味でしょうか?」
曽先生は答えました。
孔子先生の教えを貫くものは、
忠恕(まごころから相手を思いやる気持ち)のみだよ」