微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

#倫理学

君子(論語、学而第一①)

君子とは立派な人物のこと。 論語の中で最も登場回数の多い単語である。 君子はどんな人物か?は 論語最大のテーマと言える。 子曰わく、学びて時に之を習う、亦説ばしからずや。朋遠方より来る有り、亦楽しからずや。人知らずして慍みず、亦君子ならずや。…

朋(論語、学而第一①)

朋は肩を並べた様子を表し、 友は手でかばい合う様子を表している。 したがって、朋も友も 仲の良い様子を表している。 いかに忠信の友をもち舗仁するか? 論語を貫くテーマである。 子曰わく、学びて時に之を習う、亦説ばしからずや。朋遠方より来る有り、…

説(論語、学而第一①)

説はよろこぶ。 悦ではなく説なのは、 心でよろこぶのでは足りず、 人に言いたくなるほどだからかもしれない。 小さなこと、 些細なことでもよろこび、 感動・感謝できるよう、 常に心の新鮮を保つ。 論語を貫くテーマである。 子曰わく、学びて時に之を習う…

貧しくして道を楽しみ(論語、学而第一⑮)

たとえ裕福でも たとえ貧しくても 道を楽しむ。 これも論語の中で 何度も繰り返されるテーマである。 子貢曰わく、貧しくして諂うこと無く、富みて驕ること無きは如何。子曰わく、可なり。未だ貧しくして道を楽しみ、富みて礼を好む者には若かざるなり。子貢…

理想の人

年長者には安心され、 友だちには信頼され、 年少者には慕われる。 こんな人物を目指していた。 顔淵・季路侍す。子曰わく、盍ぞ各々爾の志を言わざる。子路曰わく、願わくは車馬衣裘、朋友と共にし、之を敝りても憾むこと無からん。顔淵曰わく、善に伐るこ…

「徳は孤ならず、必ず隣有り」(論語、里仁第四㉕)

徳は「直き心を行う」と書く。 直き心は本心であり、誠の心。 本心からやりたいと思うことを 誠の心をもって行えば、 必ずいつか理解者は現れるということだと思う。 子曰わく、徳は孤ならず。必ず隣有り。(里仁第四・仮名論語46頁) 孔子先生が言われま…

心は広くおおらかでありたい

心は広くおおらかでありたい。 だが肝心なところでは絶対にぶれたくない。 仲弓、子桑伯子を問う。子曰わく、可なり、簡なり。仲弓曰わく、敬に居て簡を行い、以て其の民に臨まば、亦可ならずや。簡に居て簡を行うは、乃ち大簡なること無からんや。子曰わく…

bienより論語好きな人はいない

bienより論語好きな人はいない。 こう言えるくらいになりたいのである。 子曰わく、十室の邑、必ず忠信丘が如き者有らん。丘の学を好むに如かざるなり。(公冶長第五・仮名論語64頁) 孔子先生が言われました。 「十軒ほどの小さな村にも、必ず私くらい忠…

「言必ず信」は小人だろう(論語、子路第十三⑳)

信は「人が言う」と書く。 言ったことを実行することで信が生まれるのかもしれない。 だが次の章句あるように、 「言必ず信」は小人だろうと孔子先生は言っている。 君子は言ったことが 義にかなっていれば実行する のだと思う[参照「信、義に近ければ」(…

「美」「義」「善」には羊がいる

「美」は大きな羊と書く。 漢字が作られた大昔、 大きな羊は美しいものと考えられたからだろう。 「義」や「善」にも羊がある。 羊が美しいものである以上、 「義」は我を美しくするものとなり、 美しい言葉を選んで使うことは「善」ということになる。 子曰…

執鞭の士(論語、述而第七⑦)

孔子が説いたのは仁(人の道)。 言うことを聞かないからといって 人を牛や馬と同じように叩くのは間違っている。 だから執鞭の士は賤しむべき役目なのだろう。 子曰わく、富にして求むべくんば、執鞭の士と雖も、吾亦之を為さん。如し求むべからずんば、吾…

流れ星に願えれば叶う

流れ星が流れる ほんの一瞬に願うには 四六時中頭の中で熱心に 考えていることでなければ 到底無理なこと。 それだけ熱心に 考えているのであれば、 いつか道は開けるのではないだろうか? 子張、行われんことを問う。子曰わく、言忠信、行篤敬なれば、蛮貊…

飽きないようにするために

どんなに知っていても どんなに好きでも ただ漫然と繰り返すだけでは 飽きる。 楽しくなくなる。 飽きないようにするために 小さな変化や発見でも 感謝・感動できるよう 心をいつも新鮮に保つ。 さらには飽きないための 創意工夫を重ねる。 心をいつも新鮮に…

何をしたいか?ではなく、何をすべきか?だろう

自分は何をしたいのか? これでは自分本位のような気がする。 自分は何をしたいか?ではなく、 自分は何をすべきか?の方が 善いように思う。 子貢曰わく、如し博く民に施して、能く衆を済う有らば如何。仁と言うべきか。子曰わく、何ぞ仁を事とせん。必ずや…

忙しいは心を亡くす

忙しいは 心を亡くすと書く。 忙しくても 人を思いやる心は亡くすまい と思いたい。 子曰わく、富と貴とは、是れ人の欲する所なり。其の道を以て之を得ざれば、処らざるなり。貧と賤とは、是れ人の悪む所なり。其の道を以て之を得ざれば、去らざるなり。君子…

なぜ仁者は憂えず、山を楽しむか?

仁に志す者は、 人事を尽くして天命を待つ。 だから仁者には 余計な心配が無く、 どっしりとした山を好む ということではないだろうか? 子曰わく、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。(子罕第九・仮名論語125頁) 孔子先生が言われました。 「…

勇は身の安全を保った上で行う

いくら仁だからとはいえ、 身の危険を顧みず 発揮されるのは 本当の勇ではないように思う。 身の安全はきちんと保った上で 発揮するのが 本当の勇ではないだろうか? (前回勇は仁を行う勇気) 宰我問うて曰わく、仁者は之に告げて、井に仁ありと曰うと雖も…

勇は仁を行う勇気

義は正義の義であり、 正しいことを示す。 人間にとって 何が正しいかと言えば、 それは仁であろう。 勇は仁を行う勇気だと思う。 子曰わく、(中略)義を見て為さざるは勇無きなり。(為政第二・仮名論語22頁) 孔子先生が言われました。 「正しいことだ…

人事を尽くして天命を待つ

人事を尽くして天命を待つ という言葉がある。 人間としてできる限りの 最善を尽くせているか? それだけを心配する。 最善を尽くして あとは天命に委ねる。 余計な心配をする必要は無い。 という意味になる。 子曰わく、君子は坦かに蕩蕩たり。小人は長えに…

孔子の教えは非現実的か?

君子の道がどうして 現実離れしているのだろうか? 呼吸さえも仁。 君子の道は ほんの少し意識を変えるだけ。 誰でも歩むことができる。 君子の道は、辟えば遠きに行くに必ず邇(ちか)き自りするが如く、辟えば高きに登るに必ず卑(ひく)き自りするが如し…

決して戦前回帰ではない

先の大戦を 防ぐことができなかったのは 戦前の統治システムに欠陥があったためだろう。 内閣総理大臣と 陸軍大臣・海軍大臣は同列だった。 そのため軍は その意向に反する内閣を倒すことが可能であった。 軍が政治をコントロールしていたと言える。 この反…

常若-常に清浄(新鮮)な心を保つ

神道には常若(とこわか) という言葉がある。 常に清浄(新鮮)な心を保つ ことを意味する。 伊勢神宮の式年遷宮も 常若の現れと言える。 次の大学の言葉も 常若の考え方に似せて 解釈すると分かり易いと思う。 湯の盤の銘に曰わく、苟に日に新た日日に新た…

誠は感化育成である

仁とは人の道であり、 人の道は誠であり、 誠は感化育成である。 唯天下の至誠のみ、能く其の性を尽くすことを為す。能く其の性を尽くせば則ち能く人の性を尽くす。能く人の性を尽くせば、則ち能く物の性を尽くす。能く物の性を尽くせば、則ち以て天地の化育…

論語、学而第一④

論語の最初から4番目の章句。 曽子曰わく、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。(学而第一・仮名論語2頁) 曽先生が言いました。 「私は、自分自身を何度も省みて、善くないところを省く…

言葉は伝達手段に過ぎないか?

言葉は伝達手段に過ぎない、 と論語にはある。 子曰わく、辞(じ)は達するのみ。(衛霊公第十五、仮名論語244頁) 孔子先生が言われました。 「言葉は伝達手段でしかないのだよ」 だが言葉は、 考える、思う、学ぶための手段でもある。 (なぜ言葉を学ぶ…

巧言令色、鮮なし仁(論語、学而第一③)

仁は見せかけであってはならない。 このことを最も端的に表した章句と言える。 のちの陽貨第十七にも 全く同じ章句が存在する。 とても大事なことだから 最初から三番目にも 置かれたのではないだろうか? 子曰わく、巧言令色、鮮なし仁。(学而第一・仮名論…

違う意見も謙虚に聞く

違う意見にも耳を傾ける。 そういう謙虚な心を養いたいのである。 子曰わく、後生畏る可し。焉んぞ来者の今に如かざるを知らんや。四十五十にして聞くこと無くんば、斯れ亦畏るるに足らざるのみ。(子罕第九・仮名論語121頁) 孔子先生が言われました。 …

自分をよく見せようなんて考えない

ありのままの自分でよい。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11423486.html 自分をよく見せようなんて考えない。 心豊かにありたいのである。 子曰わく、巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁。(学而第一・仮名論語2頁、陽貨第十七・仮名…

「陰徳を積む」とは「善を積む」こと

陰徳を積むということは、 善を積むということ。 http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/11634429.html 誰も見ていないからといって 不善をするようでは 陰徳を積むことはできない。 小人(しょうじん)間居(かんきょ)して不善を為(な)し、至らざる所無し…

なぜ難しい方を選ぶのか?

楽な道を選んで失敗すれば 後悔が残る。 困難な道を選んで失敗しても 教訓は残る。 樊遅、知を問う。子曰わく、民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざく、知と言うべし。仁を問う。曰(のたま)わく、仁者は難(かた)きを先にして獲ることを後にする、仁と言…