2014-07-13 言葉は伝達手段に過ぎないか? 章句解説(その他) #倫理学 言葉は伝達手段に過ぎない、 と論語にはある。 子曰わく、辞(じ)は達するのみ。(衛霊公第十五、仮名論語244頁) 孔子先生が言われました。 「言葉は伝達手段でしかないのだよ」 だが言葉は、 考える、思う、学ぶための手段でもある。 (なぜ言葉を学ぶか?) 上の章句は 口先だけの人に向けて 言われたものではないかと思う。 或(ある)ひと曰わく、雍(よう)や、仁にして佞(ねい)ならず。子曰わく、焉(いずく)んぞ佞を用いん。人に禦(あた)るに口給(こうきゅう)を以(もっ)てすれば、屡々(しばしば)人に憎(にく)まる。其(そ)の仁を知らず、焉んぞ佞を用(もち)いん。(公冶長第五・仮名論語49頁) ある人が言いました。 「雍(孔子先生の弟子)は、仁者ですが弁が立ちませんね」 これを聞いて孔子先生が言われました。 「どうして弁が立つ必要があろうか?弁が立つ者は口を頼りに人を屈服させ、かえって人から憎まれてしまうことが多い。雍が仁者であるかは知らないが、弁が立つ必要など無い」